Beikoku-stock ポートフォリオの一角、ガータント・ヘルス(GH)が好調です。
株価は2020年に65%上昇。今年に入っても2桁の伸びを見せています。
Beikoku-stock には2020年5月に組入れ。1月29日の終値でTotal Gainが+73%となっています。
ガータント・ヘルスの会社概要
ガーダント・ヘルスは米国のがん遺伝子検査企業。がん患者の血液サンプルを用いて腫瘍遺伝子を解析する、リキッドバイオプシー(血液による生体検査)の開発を手掛ける。主力製品には、がん細胞由来の血中腫瘍DNAから、特定の遺伝子変異を測定する分子診断「ガーダント360」などがある。本社所在地はカリフォルニア州レッドウッドシティ。
出所:Yahoo! Japan ファイナンス
ガーダント・ヘルスは、精密腫瘍学企業である。独自の血液検査、膨大なデータセット、高度な分析技術を使って、世界的に癌の克服を助けることに焦点が当てられている。精密腫瘍学試験の提供および開発サービスという部門で事業を運営する。地理的には、米国からの収益が大半となっている。ソリューションには、治療法の選択、再発、早期発見が含まれる。
出所: マネックス証券 銘柄スカウター
リキッドバイオプシー(liquid biopsy)とは、体液のサンプルを用いて、がんの早期発見やがんの詳細な遺伝子情報の入手が可能となる画期的な医療技術です。
従来は内視鏡や針を用いた腫瘍組織の生検(biopsy)検体や手術で切除した腫瘍組織を用いなければ確認できなかった「がん細胞の遺伝子情報」が、体液のみの検査で調べられるようになりました。体に負担をかけることなく、がん遺伝子診断や治療効果予測が可能になったのです。
ガータント・ヘルスは、腫瘍細胞から分離されたDNA断片を分析する液体生検製品を開発しており、すでに3つの製品が発売されています。
主力製品
ガータント360 CDx
同社はガータント360 CDx の販売で収益の大半を上げています。腫瘍医はこの情報を用いて転移性がん患者の適切な治療法を選択し、製薬会社は研究や臨床試験で使用するためにこの検査を購入しています。
この製品がターゲットとする米国市場は年間約60億ドル。同社が見込む2020年の売上高約3億ドルのほとんどをガータント360 CDxが稼ぎ出す予定ですが、市場規模に比べてまだまだ少ない数字。この製品だけでも成長の余地は大きくあります。
Lunar-1とLunar-2
ガータント・ヘルスがより大きな成長を期待しているのが、Lunar-1とLunar-2と呼ばれる2つの液体生検です。がんの再発監視と早期発見を目的とするこの2つの製品の潜在的な米国市場は年間450億ドル以上。まだ研究目的で販売されているこれらの製品が将来の主要製品となると期待されており、その目指す市場は広大です。
直近の販売状況
売上推移
売上高は右肩上がりですが、赤字が続いています。
EPS(1株あたり利益)推移
ここ2四半期は連続してアナリスト予想に届いていません。
今後の展望
液体生検の市場を狙っているのはガータント・ヘルスだけではありません。イルミナ社が買収したグレイルががんの早期発見と再発モニタリングに取り組んでおり、無性症の患者のがんを検出するための液体生検製品を発売の予定と報じられています。
ガータント・ヘルスにとっては強力なライバルになりそうですが、450億ドル以上と見られる大きな市場を一社で独占するのはそもそも無理な話。ライバルと互いに切磋琢磨することで、液体生検という新しい製品の認知度を上げていく効果が期待できます。
ガータント・ヘルスはずっと利益を上げていません。おそらく今後数年も黒字化は期待できないでしょう。しかし、その製品が市場に受け入れられるようになった時の規模は広大。長期に渡って株価の上昇を支え続けるには十分です。
このように評価の高いヘルスケア株にはリスクも多くありますが、それを許容できる投資家であれば、ガータント・ヘルスは長期保有の対象となる株。その躍進を楽しみに保有を続けたいと思います。
数は多くありませんが、アナリストの評価も買い推奨一色です。