トレードデスクの下落をどう見る

勢いが止まらない!トレードデスク」なんて記事を書いたせいでしょうか。トレードデスクの株価が低迷しています。記事を書いた時点(12/18)の951ドルから一時は740ドルまで下落。23%も下落してしまいました。いったい何が起こっているのでしょうか。

iOSのプライベートポリシー変更

原因のひとつとしてあげられているのが、アップルが発表したiOS 14におけるプライベートポリシーの変更です。

iPhoneなどのアップル端末では、IDFAと呼ばれる広告識別子をアップルがユーザーの端末にランダムに生成して割り当てています。広告主はIDFAを使ってユーザーの行動をつかみ、各ユーザーに応じたターゲット広告を配信することが可能です。

しかし、まもなく行われる予定のiOS 14の変更では、iPhone上のアプリがIDFAを収集したかどうかをユーザーに通知することが求められるとのこと。つまり、ユーザーが許可しなければ、アプリがIDFAを収集したり共有したりできないようになるのです。

iOSの以前のバージョンでは、ユーザーはデバイスの設定で「広告トラッキングを制限する」オプションを選択することでオプトアウトすることができました。

これにより、2020年には約30%のユーザーがオプトアウトを行ったと言われています。今回のポリシーの変更では、さらにこれが進み、自分の行動を追跡することを許可するユーザーは全体の10〜15%にまで減ってしまうと見る向きもあります。

iOSは世界で15億以上のデバイスと推定9億台のiPhoneにインストールされているだけに広告業界に与える影響は甚大です。

フェイスブックの反発

アップルの発表に強烈に反発したのがフェイスブックです。

同社は内部テストを実施。 ポリシーの変更が行われると、同社の視聴者ネットワーク広告プラットフォームがもたらす収入の50%以上が減ってしまうと発表しました。

12月16日には、アプリでの広告収入に頼っている中小企業やパブリッシャーを傷つけると主張する全面広告を、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、ワシントンポストに掲載。公式ブログでも中小企業に対策を呼びかけています。

トレードデスクの反応

しかし、トレードデスクの見解は全く異なります。

CEOのジェフ・グリーンは、同社のプラットフォーム上で行われている広告のうち約10%しかIDFAに依存していないと述べ、この数字はかなりの期間一貫しており、「我々のビジネスに重大な影響を与えることはない」と述べました。

トレードデスクは毎秒1200万件以上の広告を配信していますが、そのうちIDFAに関連しているのは約100万件だそうです。

ユーザーは最初はオプトアウトを選択しても、IDFAはネットフリックス、ドロップボックスなども使っているため、不便を感じてオプトインするようになるのではとも同CEOは語っています。

今後の展望

フェイスブックとトレードデスク、両者の見解が正反対であるため、実際どうなるかは見極めがたいものがあります。

ただ、12月後半からのトレードデスクの下落はこのニュースに影響を受けたもののようです。ただ、フェイスブックの主張を真に受けてとは言い切れません。

それまで急上昇して来ただけに、真偽のほどはともかく、ここで利益を確定しておこうという、理由に使われたのではと、個人的には思っています。

ジェフ・グリーンCEOを信じ、ここは絶好の買い場と見て動くのもありかもしれません。

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