beikoku-stock.comでは、2025年9月8日の記事にて、AIインフラの隠れた主役としてクレド・テクノロジー・グループ(CRDO)を取り上げ、「AIインターコネクト(相互接続)分野のリーダー」としての可能性を分析しました。
*過去記事「クレド・テクノロジーの市場における位置付けと将来展望」
あれから約2ヶ月半が経過し、2025年11月22日付のマーケットウォッチの記事にて、以前の分析を強く裏付ける新たなデータと市場予測が発表されました。今回は最新のコンセンサス予想を交えながら、改めて同社の投資妙味について検証します。
エヌビディアと肩を並べる成長率予測
前回の記事では同社の潜在的な成長力に触れましたが、今回発表されたアナリストのコンセンサス予想は、その期待を具体的な数値として証明するものとなりました。
2025年から2027年までの売上高年平均成長率(CAGR)において、クレドは36.3%という高い数値を記録しています。これは、AI市場の絶対王者であるエヌビディア(NVDA)の予測成長率36.5%とほぼ同等です。
S&P 500(SPX)の同期間の平均成長率が6.8%であることを踏まえると、同社が市場平均を遥かに上回る成長フェーズにあることは間違いありません。9月時点で指摘されていたモメンタムは、市場全体の共通認識になりつつあると考えられます。
「接続」がボトルネックであるという確信
9月の記事でも強調されましたが、AIデータセンターにおける最大の課題は、チップの処理能力ではなく、それらをつなぐ「接続(コネクティビティ)」の速度です。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、2020年代末までにAIインフラへの支出が最大4兆ドルに達する可能性があると言及しています。この巨額の投資資金は、当然ながらシステムのボトルネック解消に向かいます。
どれほど高性能なGPUを並べても、データ転送が遅ければ意味がありません。マーケットウォッチの記事でも指摘されている通り、同社の高速接続コンポーネントは、この課題解決に不可欠な存在です。「AIインフラのリーダー」という前回の評価は、今回の報道でより盤石なものになったと言えます。
顧客基盤の拡大が示す「本物」の需要
投資家として最も安心材料となるアップデートは、顧客ポートフォリオの劇的な改善です。
以前はアマゾン・ドット・コム(AMZN)への依存度が高いことがリスク要因でしたが、現在は状況が一変しています。アマゾンに加え、マイクロソフト(MSFT)、xAI、メタ・プラットフォームズ(META)、オラクル(ORCL)という「ハイパースケーラー5社」すべてが主要顧客となりました。
これは、同社のAEC(アクティブ電気ケーブル)技術が、特定の顧客向けのニッチな製品から、業界標準のインフラ技術へと昇華したことを意味します。9月時点よりも経営の安定性は格段に向上していると判断できます。
結論:強気姿勢を継続する根拠
現在のフォワードPER(株価収益率)は55.7倍と決して割安ではありません。しかし、エヌビディアに匹敵する成長率と、全方位的な顧客基盤の確立を考慮すれば、このプレミアムは許容範囲内であると考えられます。
9月の記事で同社に注目した読者にとって、今回のデータは保有継続、あるいは押し目買いの根拠を補強する良い材料となるはずです。AIインフラ投資の恩恵を享受する銘柄として、引き続き注視していく価値があります。
情報源: Based on facts extracted from: “These under-the-radar chip stocks could deliver rapid sales growth for the next 2 years” – MarketWatch, Nov. 22, 2025.
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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