AIブームは終わったのか?マーケットウォッチが示す「バブル生存戦略」

  • 2025年11月3日
  • 2025年11月3日
  • BS余話

米国の投資情報メディア、マーケットウォッチは2025年10月30日付の記事で、「AIブームはすでに静かに終わりを迎えつつある」と指摘しました。筆者ジュリカ・ドゥイモビッチ氏は、「バブルが弾けるかどうか」ではなく、「どのようにデフレしていくか」を問うべきだと述べています。この記事では、AI関連市場の現状と、投資家が取るべき3つの戦略が詳しく紹介されています。

静かに進む「AIバブルのデフレ」

記事によると、AI関連スタートアップの多くがすでに淘汰の波に直面しています。2025年には、企業が試験的に導入したAIプロジェクトのうち、95%が半年以内に利益を生まなかったとされ、ダウンラウンド(評価額引き下げによる資金調達)は過去10年で最高水準に達しています。
ただし、これは2000年のドットコム崩壊のような「暴落」ではなく、秩序あるデフレの形で進行していると記事は指摘しています。

第1層:巨大テック企業は「不動の存在」

マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)、アップル(AAPL)といったいわゆる「ハイパースケーラー」は、AI分野への莫大な投資を継続しています。
これらの企業は2025年に合計で3,200億~3,400億ドルの設備投資を行うとされ、その資金源は本業による強力なキャッシュフローです。短期的なリターンが鈍化しても、資金面での耐久力が高いため「調整局面は買い場になる」と記事は述べています。

第2層:ユニコーン企業の「試練の18か月」

オープンAIやアンソロピックなどのユニコーン企業は、膨大な評価額を維持する一方で、持続的な収益モデルの構築が急務となっています。
記事では、今後18~24か月で「生き残るAI企業」と「淘汰される企業」が明確に分かれると分析しています。

第3層:淘汰が進むAIスタートアップ

AIスタートアップの閉鎖件数は前年比26%増加しており、2025年は投資額も縮小傾向にあります。
企業がAI導入を進める中で「ROI(投資利益率)」を出せないプロジェクトが相次ぎ、AIバブルの末期的な様相を呈しているとされています。

投資家のための3つの戦略

記事は、AI市場の減速局面でも利益を上げるための3つの戦略を提示しています。

  1. ハイパースケーラーを押し目で買う
     15〜20%の調整局面を好機と見なし、長期的なAIインフラ拡大に乗る戦略です。
  2. データセンター・電力関連に注目する
     AIデータセンターの電力需要は2027年までに2.5倍に達すると予想されており、ドミニオン・エナジー(D)やビストラ(VST)、データセンターREITのデジタル・リアルティ(DLR)、イクイニクス(EQIX)などが有望銘柄として挙げられています。
  3. 過小評価されたAI関連銘柄を拾う
     ユーアイパス(PATH)やブラックライン(BL)、アトラシアン(TEAM)、ドキュサイン(DOCU)、アドビ(ADBE)といった企業は、AIを活用して既存サービスを強化し、実際の利益改善を達成していると評価されています。

「AIバブル崩壊」ではなく「選別の時代」へ

マーケットウォッチによれば、AI市場の調整は破壊ではなく「選別」です。
ハイパースケーラーは生き残り、ユニコーン企業は再評価され、スタートアップの多くは消えていく。
しかし、AIによる自動化とインフラ拡張は今後も続く構造的トレンドであり、投資家にとっては依然として大きなチャンスが残されていると締めくくられています。

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

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