アップル(AAPL)は2025年10月30日の決算後、iPhone 17の堅調な需要見通しを発表し、株価は一時2%上昇しました。しかしウォール街の一部アナリストは、アップル株の割高感を指摘し、他のハードウェア銘柄やAI関連株により良い投資機会があると述べています。
iPhone販売は回復基調、しかし持続性に疑問も
独立系アナリストのリチャード・ウィンザー氏は、iPhoneの買い替え需要が数年ぶりに堅調である点を評価しつつも、「iPhone 17の形状変更による一時的な買い替え効果にすぎない可能性がある」と慎重な見方を示しました。同氏はアップルのAI戦略を「ブラックホール」と表現し、明確な方向性が見えないと指摘しています。
割高な株価倍率、競合企業との比較
ファクトセットのデータによると、アップル株の予想PER(株価収益率)は33倍と、同業のTSMC(25倍)、メディアテック(17倍)、クアルコム(14倍)、サムスン(13倍)を大きく上回っています。ウィンザー氏は「アップルよりもこれらの銘柄を選ぶ」とコメントし、自身もサムスンとクアルコム株を保有していると明かしました。
アルファベットの方が魅力的との声も
ニーダムのアナリスト、ローラ・マーティン氏は、アップルよりもアルファベット(GOOGL)の方が投資妙味があると述べています。アルファベット株はアップル株より割安でありながら、売上成長率が2〜3倍高いと指摘しました。また、生成AIや大規模言語モデル(LLM)への具体的な戦略を持ち、AI、検索、モバイル、動画、クラウドといった分野でリーダー的地位にある点も強調しました。
マーティン氏は「アップルは自社エコシステム内でしかAIを活用できないのに対し、アルファベットはAIをクラウド経由で外部企業に提供できるため、収益性を高めやすい」と分析しています。
UBSもアップル株の高評価倍率を懸念
UBSのデビッド・ヴォート氏もアップル株のバリュエーションを懸念しています。同氏は「短期的なiPhone需要は堅調」としながらも、2026年度の予想利益に対して34倍という高い倍率を指摘し、「S&P500に対して40%以上のプレミアムを維持するのは難しい」と述べました。今後の株価上昇には「予想利益の上方修正が不可欠」との見解です。
まとめ
アップルの決算内容は堅調でしたが、アナリストの多くは「株価がすでに織り込み済み」との判断を示しています。iPhoneの回復が一時的な要因によるものなのか、AI戦略が実を結ぶのかが今後の焦点です。一方で、クアルコムやアルファベットなど、より成長性や割安感のある銘柄に注目が集まっています。
*過去記事はこちら アップル AAPL
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