ネットフリックス(NFLX)は2025年10月30日、株式を10分の1に分割する計画を発表しました。これは、同社株が1,000ドルを超える高値水準に達し、従業員向けストックオプション制度への参加が難しくなっていることを受けたものです。分割は11月17日に実施され、従業員や個人投資家にとってよりアクセスしやすい株価水準に引き下げられます。
従業員向け株式制度の参加を容易に
ネットフリックスは声明で「株式分割の目的は、従業員がストックオプション制度により参加しやすい価格帯にすることです」と説明しました。株主は11月10日時点の保有株数に応じて、1株あたり9株の追加株式を受け取ることになります。分割後の取引は11月17日から開始される予定です。
同社の株価は10月30日の終値で1,089ドルと、6月末の最高値から約19%下落しています。ただし、分割発表を受けて時間外取引では3.2%上昇しました。S&P500銘柄の中では9番目に高い株価となっていました。
サービスナウに続く大型株分割の動き
今回の発表は、前日にサービスナウ(NOW)が株式分割を発表した直後に行われました。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、2025年に入ってからS&P500構成銘柄での株式分割はわずか3件にとどまっており、前年の18件から大幅に減少しています。
株式分割は必ずしも企業価値を変えるものではありませんが、流動性を高め、従業員や個人投資家の参加を促す効果があります。
2030年に時価総額1兆ドルを目指す
ネットフリックスは、2030年までに売上を2倍に拡大し、時価総額1兆ドルの達成を目標に掲げています。その一環として、広告事業やライブスポーツ、テーマパークなど新たな分野への進出を進めています。現在の時価総額は約4,660億ドルです。
アナリストの中には「株価が企業の成長見通しを先取りしすぎている」と指摘する声もありますが、分割によってより多くの従業員が株式インセンティブに参加できることで、企業文化の強化や長期的な成長につながると見る向きもあります。
第3四半期決算は増収も一時的な減益
ネットフリックスの第3四半期決算では、売上が前年同期の98億ドルから115億ドルへ増加しましたが、ブラジルでの税務紛争に伴う一時的な費用負担により、利益は予想を下回りました。
通年では、為替変動や税金影響を踏まえ、営業利益率見通しを30%から29%に引き下げました。
それでも同社は、第4四半期にかけて広告収益や加入者増加により、売上の伸びを維持できるとしています。通年売上予想は451億ドルで、従来のガイダンスと一致しています。
アナリストは「一時的なブレ」と評価
多くのアナリストは、今回の利益減少を一時的なものと見ています。広告事業の拡大と豊富なコンテンツが今後の収益成長を支えるとの見方が大勢を占めています。株式分割の実施により、従業員のモチベーション向上と市場での流動性強化が期待されます。
このように、ネットフリックスは高株価を背景に「参加しやすさ」と「成長戦略」の両立を目指した動きを取っています。今後の業績動向や新規事業の成果が、株価の次なる上昇を左右する重要なポイントとなります。
*過去記事はこちら ネットフリックス NFLX
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