アマゾン(AMZN)は2025年10月30日に発表した第3四半期決算で、市場予想を上回る好調な業績を報告しました。特にクラウド事業のAWSが堅調に推移し、時間外取引では株価が大きく上昇しました。
売上・利益ともに市場予想を上回る
アマゾンの第3四半期の調整後1株利益は1.95ドルで、ウォール街予想の1.57ドルを大幅に上回りました。売上は1,802億ドルと、アナリスト予想の1,779億ドルを上回っています。今回の利益には、AIスタートアップのアンソロピックへの投資益も含まれています。
クラウド事業「AWS」の売上は330億ドルとなり、アナリスト予想の325億ドルを上回りました。アマゾンは第4四半期の売上見通しを2,060億~2,130億ドルとし、市場平均予想の2,084億ドルを上回る見通しを示しました。
CEOのコメント:AIとインフラ需要が成長を牽引
アマゾンのCEOアンディ・ジャシー氏は、「AIと基盤インフラの需要が引き続き強く、容量拡大を加速させている」と述べました。アナリスト向け決算説明会では、AWSの電力ベースの容量を2022年比で倍増させ、2027年までに再び倍増を目指すと発表しました。
この発言を受け、時間外取引で株価は最大14%上昇する場面もありました。
アナリストの評価と見通し
UBS証券のアナリスト、スティーブン・ジュ氏は、アマゾンの目標株価を279ドルに引き上げ、引き続き「買い」評価を維持しました。同氏は、「Eコマース、クラウド、広告、そしてKuiper(低軌道衛星)などの事業分野で成長余地がある」と指摘しています。
また、AWSの売上は第4四半期から来年前半にかけて改善する可能性があるとしながらも、年末にかけた顧客の支出動向については「マイクロソフトのアジュールやグーグルクラウドほど強くない」との見方も示しました。
コスト削減と組織再編の動き
アマゾンは10月29日に、企業部門で約1万4,000人の人員削減を発表しました。組織の階層を減らし、官僚的な構造を改善することが目的とされています。AIインフラやクラウド事業への投資を優先しつつ、効率化を進める方針です。
株価の推移
2025年に入ってからのアマゾン株は年初来で約2%の上昇にとどまり、ナスダック総合指数(COMP)の22%上昇に比べると出遅れています。しかし、今回の決算発表後は投資家の期待が高まり、今後のAWS成長が株価の上昇要因になる可能性があります。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN
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