米投資情報メディア「バロンズ(Barron’s)」のテクノロジー専門ニュースレター「TECH」は、10月29日付の記事でエヌビディア(NVDA)の驚異的な成長を特集しました。執筆したのはテイ・キム氏で、タイトルは「Next Stop, $6 Trillion(次の目的地は6兆ドル)」です。記事では、エヌビディアが時価総額5兆ドルを突破した背景と、今後のさらなる成長余地について詳しく分析しています。
時価総額5兆ドルを突破、歴史的な節目に
エヌビディアは10月29日の取引開始直後、米国企業として史上初めて時価総額5兆ドルを達成しました。わずか3カ月前に4兆ドルを突破したばかりで、そこからさらに1兆ドルの価値を上乗せした計算になります。株価は年初来で54%上昇し、AIインフラ需要を背景に驚異的なスピードで成長を続けています。
GTCで明らかになったAIチップの強力な需要
キム氏は、今回の株価上昇の要因として、CEOジェンスン・フアン氏の発言を挙げています。フアン氏はワシントンD.C.で開催された開発者会議「GTC」で、「AIチップの需要は極めて強い」と強調。現行のブラックウェル(Blackwell)チップおよび次世代ルービン(Rubin)チップにより、2026年までに累計5,000億ドル以上の売上が見込めると明言しました。この見通しは、アナリスト予想を大幅に上回る非常にポジティブな内容です。
データセンター向けAIサーバーの量産が追い風に
記事は、エヌビディアの成長を支える2つのサイクルを指摘しています。
ひとつは、AIサーバー「NVL72」の量産が本格化したことです。この新型サーバーは従来の8基から72基のGPUを搭載し、性能と電力効率が飛躍的に向上しています。企業のAI導入が加速する中、データセンター需要は過去最大規模へと拡大していると報じています。
もうひとつは、AIモデルの進化です。マイクロソフトのスコット・ガスリー氏やデルのジェフ・クラーク氏も「AIインフラの需要は爆発的に拡大している」と述べており、AI活用の本格化が始まった段階にあると分析されています。
AI市場の投資ムードが再燃
記事では、オープンAIのサム・アルトマンCEOが「IPOが最も現実的な選択肢」と発言した点にも触れています。AI分野の代表格である同社が上場すれば、1995年のネットスケープ上場のように市場全体の投資熱を押し上げる可能性があると指摘。AI分野への資金流入は今後さらに加速する局面にあると見られています。
エヌビディアのバリュエーションは依然として健全
キム氏は、エヌビディアの株価が急騰しているにもかかわらず、依然として割高ではないと強調しています。予想PERは33倍で、アップル(AAPL)やマイクロソフト(MSFT)と同水準。それでいて売上成長率は50%と、2社を大きく上回っています。ファンダメンタルズの改善が続き、アナリスト予想の上方修正も相次いでいることが、「次の6兆ドル」達成の裏付けとなっています。
バロンズ「TECH」が示すエヌビディア強気継続の理由
ニュースレター「TECH」は最後に、「いずれ成長に限界は来るが、今はまだその段階ではない」と結論づけています。エヌビディアのビジネス基盤は拡大を続け、AI需要が新たな波を生み出している現在、株価上昇の余地は依然として大きいとしています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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