キャタピラー株が2009年以来の急騰 AI需要がけん引する新たな成長フェーズに

  • 2025年10月30日
  • 2025年10月30日
  • BS余話

キャタピラー(CAT)は2025年第3四半期決算で市場予想を上回る好調な結果を発表し、10月29日の米国市場で株価が12%上昇しました。これは2009年以来の大幅な上昇となり、投資家の期待が一段と高まっています。

売上が久々のプラス成長へ 建設需要の回復が追い風に

第3四半期の調整後1株利益は4.95ドル、売上は176億ドルとなりました。前年同期の161億ドルから増加し、2023年第4四半期以来のプラス成長を達成しています。

CEOのジョー・クリード氏は「力強い需要と、厳しい環境下でも集中した事業運営が成果を生んだ」と述べ、成長の持続に自信を示しています。

商業建設が安定 建設機械事業は7%成長

建設関連の売上は68億ドルと7%増加しました。住宅は依然として弱いものの、商業建設市場が安定してきたことが背景にあります。

第2四半期は前年比7%減でしたが、ここにきて改善が見られています。

資源価格の底堅さで鉱業部門も回復

鉱業関連の売上は31億ドルと前年比2%増でした。資源需要の安定が支えとなり、こちらも回復の兆しが強まっています。

AIデータセンター向け発電事業が急成長の中心に

特に注目すべきは、エネルギー&運輸部門です。
AIデータセンター向け発電設備の需要が急増しており、第2四半期は売上が前年同期比17%増の84億ドルへと拡大しました。

AI時代の電力ひっ迫が指摘される中、同社のディーゼル発電機や大容量電源システムが評価されています。

アナリストによると、電力供給が次世代データセンター発展のボトルネックとなる中、キャタピラーはその解決策の一部を担う企業として存在感が高まっているとのことです。

受注は25%増 業績上方修正へ

受注は25%増と非常に強く、2025年の売上見通しを「やや増加」へ引き上げました。年初は減少を想定していたことから、市場が評価を強めたのは当然の流れと言えます。

一方で、関税コスト増が営業利益を圧迫していますが、高い売上成長が吸収しています。

年初来45%高の株価 期待に応える決算に

キャタピラー株は年初来で45%上昇しており、投資家はすでに改善トレンドを織り込み始めていました。しかし今回の決算は、その期待を上回る内容です。

オプション市場では決算後の株価変動を4%と織り込んでいましたが、結果は大幅なサプライズとなりました。

AIインフラの追い風でさらなる成長が見込める

建設・鉱業の大手であるキャタピラーが、AIインフラに欠かせない電源供給分野で存在感を拡大していることは、今後の事業ポートフォリオの強化につながります。

AI市場拡大で電力不足が懸念される中、同社は重要なポジションを占める企業となりつつあります。

投資家の視線は、次なる上方修正と増配余地にも向いていきそうです。

*過去記事「キャタピラー株が急騰 AIデータセンター需要が新たな成長ドライバーに

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