ペイパルの株価が急騰:決算好調とオープンAIとの提携が追い風に

ペイパル(PYPL)は10月28日に発表した2025年第3四半期決算で市場予想を上回り、株価が一時11%上昇する展開となりました。さらに、オープンAIとの新たな提携が投資家の期待を高めている状況です。本記事では、その詳細と今後の注目ポイントについて整理します。

予想を上回る売上と利益

第3四半期の調整後1株利益は1.34ドルとなり、市場予想の1.20ドルを上回りました。売上も6%増の84億ドルとなり、アナリスト予想を上回っています。
総決済額(為替影響調整後)は7%増の4,581億ドルとなり、引き続きプラットフォームの強さが表れた形です。

オンライン決済や店舗でのタップ決済などを含むブランド型決済は総決済額の31%を占め、オンラインのみのブランド決済は5%増となっています。

収益性改善を重視した事業戦略

決済件数は5%減となりましたが、ペイパルは「価値に見合う価格戦略」に舵を切っており、低利益の取引を削減する方針を取っています。
取引件数よりも高い利益率を確保する方向に動いていることがわかります。

CEOのアレックス・クリス氏は、2023年からの経営改革として利益率の高い事業へ注力しており、その成果も見え始めています。

ガイダンス引き上げと初の配当支払いへ

ペイパルは通期の調整後1株利益見通しを、従来の5.15〜5.30ドルから5.35〜5.95ドルに引き上げました。
さらに、1株あたり14セントの配当を発表しており、支払日は12月10日となっています。配当性向は約10%とされています。

成長性に加えて、株主還元への姿勢が強まっている点は大きな評価材料です。

オープンAIとの提携で「エージェント時代」へ対応

ペイパルはオープンAIと協業し、ChatGPT上でペイパルによる決済が可能になります。また、Instant Checkout機能の決済処理にも対応します。

AIエージェントによる購買行動が普及すれば、ペイパルにとって大きな新市場となる可能性があります。
クリスCEOは「エージェントが主役になる未来を見据えた取り組み」だと説明しています。

競合との比較と今後の懸念点

マスターカード(MA)、ビザ(V)、アファーム(AFRM)など他社は依然として「買い」評価が多い一方、ペイパルのブランド決済成長は改善が遅れているという指摘があります。

欧州(特にドイツ)での成長鈍化や、米中間の決済環境が関税影響により不安定なことも課題として残っています。

まとめ:明確な改善サインが現れ始めた

ペイパルはここ数年、競争激化と事業停滞で株価が低迷していました。しかし、

・収益性の改善
・配当の開始
・オープンAIとの戦略的提携

これらを背景に、転換点を迎えつつあると評価できます。
投資家が最も注視すべき指標は引き続き「ブランド型決済の成長」です。

2025年はペイパルが再加速できるかどうかを見極める重要な1年となります。

*過去記事はこちら ペイパル PYPL

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