バロンズが「買い」推奨!エクスパンド・エナジーはAI時代の天然ガス覇者

  • 2025年10月25日
  • 2025年10月25日
  • BS余話

米投資情報誌バロンズ(Barron’s)は10月23日付の記事で、米国最大の天然ガス生産企業エクスパンド・エナジー(EXE)を「買い」推奨銘柄として紹介しました。記事では、AIによる電力需要の急増を背景に、同社が長期的な成長を期待できる有力な投資先であると強調しています。

チェサピークとサウスウエスタンの合併で誕生した新エネルギー大手

エクスパンド・エナジーは、2024年にチェサピーク・エナジーとサウスウエスタン・エナジーが合併して誕生した企業で、現在米国最大の天然ガス生産量を誇ります。主力資産はルイジアナ州北西部とヘインズビル・シェール地域に位置しており、建設が進むLNG(液化天然ガス)輸出拠点への地理的な近接性が大きな強みです。バロンズは、この地理的優位性が今後のエネルギー輸出拡大とともに利益を押し上げる要因になると指摘しています。

合併シナジーとフリーキャッシュフローの急拡大

記事によると、エクスパンド・エナジーは当初4億ドルと見込まれていた年間シナジー効果を上回り、2026年までに6億ドル規模に達する見通しです。このシナジーが利益体質を強化し、フリーキャッシュフロー利回りは2025年の9%から2026年には16%へと急上昇する見込みです。また、10億ドル規模の自社株買いプログラムと3.1%の配当利回りにより、株主還元姿勢の強さも際立っています。

モルガン・スタンレーのデビン・マクダーモット氏は、同社株の目標価格を135ドルに設定し、「価格上昇と生産拡大がフリーキャッシュフローの成長を後押しする」とコメントしています。ベンチマーク証券のスバシュ・チャンドラ氏も「ガスマーケティング事業の拡大がキャッシュフロー増加につながる」と述べ、買い評価を継続しています。

AIによる電力需要拡大が新たな成長ドライバー

バロンズは、AIの普及がエネルギー業界に新たな需要をもたらしている点にも注目しています。AIに最適化されたデータセンターの電力消費量は2030年までに4倍以上に増加する見込みであり、その電力を供給する天然ガスの重要性が再評価されています。エクスパンド・エナジーはこのトレンドの中心に位置しており、AI関連の電力需要拡大が同社の成長を後押しすると見られています。

アナリストの強気見通しと株価動向

ファクトセットによると、エクスパンド・エナジーをカバーする33人のアナリストのうち、約9割が「買い」もしくは同等評価を付与しており、売り推奨は一人もいません。平均目標株価は131ドルで、10月22日時点の終値104.39ドルから25%の上昇余地があります。1株利益は2025年の5.69ドルから2026年には9.63ドルへと3分の2以上の増益が予想されています。

株価は夏場に天然ガス価格の下落により一時調整しましたが、10月に入って200日移動平均線を上抜け、上昇基調に転じています。テクニカル面では110ドルを上抜ければ、年末にかけて130ドルを目指す展開が期待されています。

バロンズが評価する「冬に強い銘柄」

記事の締めくくりでバロンズは、「冬の到来は警告ではなく朗報だ」と表現し、エクスパンド・エナジーをエネルギー価格上昇の恩恵を享受できる銘柄として紹介しています。寒さで暖房費が上がっても、同社の株主はその上昇分を株価上昇で取り戻せる可能性があるとしています。

エネルギーとAIの融合という新たな潮流の中で、バロンズが「買い」と太鼓判を押したエクスパンド・エナジー(EXE)は、今後の市場注目度をさらに高めることになりそうです。

*過去記事「エネルギーセクターに割安感──プロが推す注目3銘柄

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