アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が10月24日の米国市場で急騰、急速に成長を遂げ、時価総額が初めて4,000億ドルに到達しました。2025年の株価はすでに2倍以上となり、特にこの1か月間での上昇が著しい状況です。その背景には、オープンAIとの大型契約があり、同社の技術力が改めて市場で評価されています。
オープンAIとの契約が成長の原動力に
AMDの株価は24日の取引で7.6%上昇し、終値は252.92ドルとなりました。この結果、時価総額は4,100億ドルに達しています。
AMDがこれほど急伸した理由の一つが、オープンAIとの提携です。この契約は、AMDのAI向けチップ技術を証明するものであり、ウォール街のアナリストたちは将来的な売上拡大に期待を寄せています。
2025年初め、AMDはS&P500構成銘柄の中で時価総額ランキング44位でしたが、現在は21位にまで上昇しています。この短期間での急上昇は、AIとクラウド需要の拡大に支えられた結果です。
インテルの業績が追い風に
米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、インテル(INTC)の決算内容がAMDにとっても好材料になっていると指摘しています。インテルがPCや汎用サーバーの需要増加を報告したことは、同様の市場をターゲットとするAMDにもプラスの影響を与えるという見方です。
また、サスケハナのクリストファー・ローランド氏も、サーバー市場においてインテルがAMDにシェアを奪われ続けていると分析しています。
アナリストの注目ポイント
バーンスタインのステイシー・ラスゴン氏は、次回の決算発表を控え、株価がこの勢いを維持できるか、そしてAMDがAI関連の期待を長期的に維持できるかが焦点になると述べています。AMDとオープンAIの提携によるGPU導入は、来年後半から始まる予定です。
AI市場での大きな成長余地
HSBCのフランク・リー氏は、AMDのAI向けGPU売上が今年の73億ドルから10倍以上に拡大する可能性があると予測しています。オープンAIは次世代GPU「MI450」を採用する予定であり、リー氏はAMDが最新の「MI350」シリーズによってエヌビディア(NVDA)に性能面で「ついに追いつきつつある」と述べています。
まとめ
AMDはAI時代の勝者として急成長しており、オープンAIとの提携を契機にエヌビディアに迫る存在感を見せています。今後の焦点は、AI向けチップ市場でのシェア拡大と、次回決算での業績維持にあります。AI需要が拡大する中で、AMDは引き続き注目すべき半導体企業といえます。
*過去記事はこちら AMD
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