バーンスタインのアナリストであるマーク・マードラー氏は、マイクロソフト(MSFT)のクラウド事業「アジュール(Azure)」の売上成長が、9月期に前年比40%に達する可能性があると予想しています。これは同社のガイダンスである37%を上回る見通しです。
アジュールは前四半期にも39%の成長を記録し、クラウド市場でのシェアを拡大しています。供給制約が一部懸念されているものの、マードラー氏は「これは旺盛な需要を示すサイン」であり、企業のクラウド移行が想定以上に進んでいることを意味すると指摘しています。
AIバブル懸念を超える安定した成長
最近の株価停滞の背景には、AIバブルへの懸念があります。しかし同氏は「マイクロソフトはAIバブルの影響を受けにくい」と分析しています。その理由は、同社のAI関連売上が主にソフトウェアや企業向け製品から生じているためです。さらに、アジュールの収益はグラフィックプロセッサ(GPU)ではなく、中央処理装置(CPU)需要に支えられており、この構成比が利益率の改善に寄与しているとしています。
CopilotとWindowsアップグレードが追い風に
また、AIアシスタント「Copilot」はまだ初期段階にあるものの、すでに勢いを見せており、今後は高利益率のMicrosoft 365サブスクリプション収益に寄与すると期待されています。さらに、Windows 10のサポート終了に伴い、多くの企業や個人がアップグレードサイクルに入ることで、Windows部門の売上も押し上げられる見込みです。
低い期待値が生む買いの好機
ウォール街の業績予想は慎重で、営業利益率は46.1%と予想されています。これはマイクロソフトのガイダンス下限(46.5~46.8%)を下回っています。マードラー氏は「経営陣はAI活用による効率化を進めており、この水準は過小評価だ」とし、決算前に買い増しを推奨しました。
アナリストの見解と株価見通し
マイクロソフト株は2025年初から23.5%上昇しています。マードラー氏は依然として「アウトパフォーム(市場平均を上回る)」評価を維持し、目標株価を637ドルとしています。これは現水準からさらに約22%の上昇余地があることを示しています。
今回の分析では、クラウドとAIの両輪でマイクロソフトが引き続き成長軌道に乗る可能性が強調されています。10月29日の決算発表を前に、同社株は再び注目を集めそうです。
*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT
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