米投資情報メディアのバロンズは、2022年末から続く米国株式市場の上昇を「バブル」とする見方がある一方で、その勢いは今後も数年間続く可能性が高いと報じています。10月22日付の記事では、AI(人工知能)関連投資を中心とした強気相場が「まだ初期段階にある」という専門家の見解を紹介しています。
S&P500は約90%上昇 AIと利下げ期待が支え
S&P500指数は2022年末以降、約90%の上昇を記録しています。背景には、AI関連企業の利益成長への期待、FRB(米連邦準備制度)の利下げ見通し、そして底堅い景気動向があります。
バロンズは、AI関連の成長シナリオが続く限り、市場は短期的な調整を挟みながらも上昇基調を維持する可能性が高いと分析しています。
クレジットリスクは限定的 米金融システムは健全
一部では、プライベート・クレジット(非公開融資市場)の拡大を懸念する声もあります。しかしバロンズによると、銀行の貸出規模は依然として小さく、金融システム全体のリスクは限定的です。
失業率は4%台前半を維持し、賃金も緩やかに上昇しています。消費者と企業の信用状態は堅調で、主要銀行の貸倒引当金にも増加傾向は見られません。
AIインフラ投資は継続 アルファベットとメタが主導
記事では、アルファベット(GOOGL)やメタ・プラットフォームズ(META)といった大手ハイパースケーラーのデータセンター投資についても言及しています。
一部で「過熱懸念」が指摘されるものの、その多くは長期契約に基づく安定的な支出であり、少なくとも来年までは高水準の投資が続く見通しです。
ファクトセットのデータによれば、これらの企業は2026年も前年比で二桁成長の設備投資を計画しており、AIインフラ需要は依然として旺盛です。
過去の強気相場との比較 「まだ第3年目」
バロンズは、1982年から2000年にかけてのように、10年以上続いた過去の強気相場を例に挙げています。
現在の上昇相場はまだ3年目であり、AIという新技術の普及サイクルを考慮すれば、今後も数年間の上昇余地があるとしています。
カーネギー・インベストメント・カウンシルのポナージアン氏も「このブルマーケットはまだ初期段階にある」とコメントしています。
投資家はどう行動すべきか
記事は、現在の市場が「バブル的」な様相を呈しているとしても、差し迫った崩壊のリスクは低いと結論付けています。
バロンズは、AI革命、金利低下、堅調な消費という追い風が吹く中では、現金で待機するよりも株式市場に資金を留め置く方が合理的であると締めくくっています。
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