金が暴落、銀・プラチナも急落 投資家心理が一変

  • 2025年10月22日
  • 2025年10月22日
  • BS余話

金市場に大きな衝撃が走りました。10月21日の取引で金価格は1トロイオンスあたり4,087.70ドルまで急落し、過去最大の1日あたり下落額を記録しました。これはドル高と利益確定の動きが重なった結果とされています。金価格の下落幅は5.7%に達し、2013年6月以来の大幅下落でした。

今年の上昇相場から一転

金は年初来で依然として55%以上上昇していますが、今回の急落はその「勢いの持続性」に疑問を投げかけています。資産運用会社DHFキャピタルのCEOバス・クージマン氏は、「ドル高と利益確定売りが重なり、短期的な反落が起きた」とコメントしています。ソシエテ・ジェネラルのマイク・ヘイグ氏のように「まだ上昇余地がある」とする見方もある一方で、ルネサンス・マクロ・リサーチは「金は持続不可能な上昇ゾーンに入った」と分析しています。

貴金属市場全体に波及

金だけでなく、プラチナや銀も大きく値を下げました。プラチナ先物は6.9%、銀は7.2%下落し、貴金属市場全体に売り圧力が広がっています。今年は金と銀の両方が歴史的な強気相場を演じてきただけに、この反転は投資家にとって予想外の展開となりました。

ニューモント株がS&P500で最下位に

金鉱株も連動して急落しました。世界最大級の金鉱会社ニューモント(NEM)は9%下落し、S&P500銘柄の中で最も悪いパフォーマンスとなりました。前日には4.5%上昇していたため、値動きの振れ幅が大きくなっています。ニューモントの過去5年間のベータ値は0.49と、市場全体の半分程度のボラティリティしかなかったにもかかわらず、近年は金価格と連動して動く傾向が強まっています。

同様に、バリック・ゴールド(B)は9.3%下落し、金鉱業全体を追うVanEck Gold Miners ETFも9.9%の下落となりました。もはや金鉱株は「安定銘柄」ではなく、ビットコイン関連株のような値動きを見せていると指摘されています。

今後の見通し

金と銀の価格変動が大きくなる中、金鉱株はこれまでにない不安定な局面に直面しています。金がもはや「安全資産」としての役割を果たせない可能性もあり、投資家は慎重な姿勢を求められそうです。今後の動向はドルの強さ、インフレ期待、中央銀行の金融政策に大きく左右されるとみられています。

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG