AIバブル警報:トライバリエートが警告する11銘柄とは

  • 2025年10月21日
  • 2025年10月21日
  • BS余話

ウォール街では「株式市場はバブルなのか?」という議論が再燃しています。S&P500は年初来で約15%上昇し、3年連続の強気相場を維持しています。堅調な経済成長とインフレ低下、そして人工知能(AI)ブームが株価を押し上げてきました。しかし、データセンター投資の過熱や民間信用市場のリスクなど、懸念も少なくありません。

トライバリエート・リサーチの創業者アダム・パーカー氏は、特にリスクの高い11銘柄を「バブル候補」としてリストアップしました。これらの銘柄は直近6カ月で株価が2倍以上に上昇し、企業価値対予想売上倍率が上位10%に入る「過大評価株」とされています。

バブル警告リストの選定基準

トライバリエートは、次の条件を満たす銘柄を「バブル候補」として抽出しました。

  1. 過去6カ月で株価が100%以上上昇している
  2. 企業価値対予想売上倍率が全米3,000銘柄の上位10%に入る
  3. 空売り比率が高い(平均よりも2倍以上)
  4. 収益の質が低い(トライバリエートの品質モデルで下位半分)
  5. 2026年の利益予想が年初より下方修正されている

要するに、短期的に急騰している一方で、業績や収益見通しが悪化している「不安定な銘柄」が中心です。

量子コンピュータ関連株の過熱

リストには、量子コンピュータ関連の企業が多く含まれています。リゲッティ・コンピューティング(RGTI)ディーウェーブ・クオンタム(QBTS)、クォンタム・コンピューティング(QUBT)などです。これらの企業は、次世代計算技術として注目を集めていますが、実用化まではまだ道半ばです。短期的な期待先行で株価が過熱していると指摘されています。

レアアース・エネルギー関連銘柄にも警鐘

レアアース(希土類)採掘企業のMPマテリアルズ(MP)もリスト入りしました。同社は電気自動車や風力発電に不可欠な磁性材料を供給しており、米国の供給網強化政策の恩恵を受けています。しかし、利益率の改善が遅れており、株価は期待先行の側面が強いです。

そのほか、ニュースケール・パワー(SMR)ウラン・エナジー(UEC)イオス・エナジー(EOSE)ピュアサイクル・テクノロジーズ(PCT)ブルーム・エナジー(BE)といった電力・化学系企業も名を連ねています。AI向けデータセンター需要の拡大を背景に再生可能エネルギーや小型原子炉関連株が上昇していますが、これもバブル的な勢いを帯びています。

ソフトウェア・AI音声関連株にもリスク

アプライド・デジタル(APLD)サウンドハウンドAI(SOUN)といったソフトウェア・AI音声認識関連株もリスト入りしました。AIテーマの象徴的銘柄として注目されてきましたが、利益成長が伴っていないため、今後の調整リスクがあると見られています。

投資家へのメッセージ:冷静な判断を

今回のトライバリエートの分析は、AIや量子技術など「未来志向のテーマ株」がいかに過熱しているかを示しています。すべての銘柄が崩壊するわけではありませんが、ファンダメンタルズに対して過度に買われている銘柄は、失望売りが起きるリスクが高いです。

市場の勢いに乗るよりも、業績と収益性を冷静に見極めることが重要です。特にAIインフラ関連銘柄を中心に、投資家は短期的な熱狂に惑わされない慎重な姿勢が求められます。


このようなバブル的上昇局面では、利益確定のタイミングと分散投資の重要性が一層増しています。買いのチャンスを探るよりも、リスクを管理することが今の相場で最も賢明な戦略といえます。

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