TSMCが語る「AIバブルではない」理由とは?過去最高益の裏側

  • 2025年10月17日
  • 2025年10月17日
  • TSMC

台湾積体電路製造(TSMC)は2025年第3四半期決算で過去最高益を記録しただけでなく、AI需要に対する自信をさらに強めています。決算発表後のアナリスト向け説明会では、魏哲家CEOが「AI需要は想定以上の強さを見せており、我々の確信はむしろ強まっている」と述べ、AI投資が一過性のバブルではないとの見方を示しました。

「AIはメガトレンド」 需要は依然として“異常なほど強い”

魏哲家CEOは「AI需要は非常に強く、3カ月前の想定を上回る水準だ」と説明。さらに「AIが生み出すトークン数の増加は指数関数的であり、最先端半導体の需要は現実的で持続的なものだ」と強調しました。
特に、生成AIに必要な高性能GPUを手掛けるエヌビディア(NVDA)向けの受注は引き続き旺盛であり、TSMCはAIサプライチェーンの中心的存在としての地位をさらに固めつつあります。

AI向け売上は年間40%超の成長ペースを維持

TSMCは2025年通期の売上成長率を「30~40%台の中間水準」と上方修正し、AI関連チップ売上は2025年に倍増、今後5年間は年率40%台半ばで拡大するとしています。
この背景には、生成AIや高性能コンピューティング(HPC)などの分野における継続的な設備投資があり、主要顧客であるアップル(AAPL)、クアルコム(QCOM)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)からの受注も安定しています。

AIバブル懸念への回答:「需要は実体を伴っている」

一部アナリストは、オープンAIとエヌビディアのような循環的資金関係が「AIバブル」を助長していると指摘していますが、TSMCはこれを否定。
魏哲家CEOは「半導体はAIアプリケーションの根幹を支える基盤であり、需要は極めて実質的なものだ」と強調しました。AIサーバー向けGPUだけでなく、推論・学習を支える先端プロセス需要の増加が同社の収益構造を押し上げているとしています。

第4四半期も堅調見通し、売上は最大334億ドルを予想

CFOのウェンデル・フアン氏は「第4四半期も最先端プロセス技術への需要が堅調に続く」と述べ、売上高を322億~334億ドルと予想。通期ではドルベースで約30%の成長を維持する見通しです。
TSMCの株価は年初来で約54%上昇しており、AIインフラ需要の恩恵を最も直接的に受ける銘柄の一つとなっています。


まとめ
TSMCはAIブームの最前線に立ちながらも、投機的なバブルではなく“構造的成長”であるとの認識を強調しています。今後もエヌビディアをはじめとする主要顧客との関係を深め、AI時代の半導体供給網を支える中心的存在であり続ける見通しです。

*過去記事はこちら TSMC

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