マイクロン株が年初来140%上昇 AIメモリ需要で勢い止まらず

  • 2025年10月17日
  • 2025年10月17日
  • BS余話

マイクロン・テクノロジー(MU)の株価は2025年に入り約140%上昇し、過去最高値圏で推移しています。アナリストはAIや高性能コンピューティング(HPC)向けのメモリ需要が急増していることを背景に、さらなる上昇余地があると見ています。

シティが目標株価を引き上げ DRAM市場の逼迫が追い風に

シティ・リサーチのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏は「AIエコシステム全体でDRAMの長期供給契約が進む」と指摘し、マイクロン株の投資判断を「買い」に据え置きながら、目標株価を200ドルから240ドルに引き上げました。DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)はAIやデータセンターに不可欠な半導体で、供給不足が続く見通しです。

同氏は、AI企業がDRAMの供給を確保するために長期契約を進めていることが価格上昇を支え、マイクロンにとって持続的な利益成長につながると分析しています。

売上・利益ともに市場予想を上回る見通し

シティ・リサーチは、マイクロンの2026年度第3四半期の粗利益率が60%に拡大すると予想しています。これは2025年度第4四半期の44.7%から大きく改善する見通しです。売上高は625億ドル(従来予想560億ドル)、1株利益は21.05ドル(従来16.93ドル)と見積もられており、いずれも市場コンセンサスを上回ります。

こうした強気な見通しの背景には、AIサーバー向けメモリ価格の上昇があります。ベンチマーク証券によると、マイクロンはNAND型フラッシュメモリの価格を20~30%引き上げ、さらに新規受注の一時停止を顧客に通知しています。これは供給ひっ迫が顕著であることを示しています。

UBSも強気見通しを維持 目標株価は245ドルへ

UBSのアナリスト、ティモシー・アークリ氏もマイクロン株を「買い」と評価し、目標株価を225ドルから245ドルに引き上げました。AIデータセンター事業者(ハイパースケーラー)に加え、スマートフォンメーカーからもDRAM需要が拡大していると述べています。

ただし、同氏は短期的な供給制約が続くと見ています。マイクロンのアイダホ州工場は2026年第1四半期に稼働を開始し、2027年後半に本格的なウエハー生産が始まる見通しです。

ウォール街の評価は圧倒的に「買い」

ファクトセットのデータによると、調査対象となった42社のうち38社がマイクロン株を「買い」または「オーバーウェイト」と評価しています。「中立」が3社、「売り」とするのはモーニングスター・エクイティ・リサーチのみです。

AI市場拡大の恩恵を受ける半導体メーカー

マイクロンは、AI向けメモリ市場の拡大で最大の恩恵を受ける企業のひとつです。エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)と同様に、AI・HPC分野の中心的プレイヤーとして成長しています。両社がGPUやプロセッサの技術進化を通じてAI市場を牽引してきたように、マイクロンもAI時代の記憶装置の主役として注目されています。

マイクロンは12月17日に第4四半期決算を発表する予定で、市場関係者の関心が高まっています。AI需要の継続的な拡大と供給制約が続くなか、同社がどのようなガイダンスを示すかが今後の株価のカギとなります。

*過去記事「マイクロンが好決算!AI需要でメモリ市場に追い風

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