AIブームの波に乗っているのはエヌビディア(NVDA)だけではありません。バロンズ誌によると、ブロードコム(AVGO)、マーベル・テクノロジー(MRVL)、モノリシック・パワー・システムズ(MPWR)も、AI関連の成長が期待される銘柄としてオッペンハイマーのアナリストが注目しています。
ブロードコム:AI特需を背景に64%の売上成長見通し
ブロードコム(AVGO)は、カスタムチップ設計で知られる半導体大手で、2025年の株価はすでに約48%上昇しています。特にオープンAIとの大型契約が追い風となり、AI関連の売上が前年から64%増加する見通しです。オッペンハイマーのアナリストであるリック・シェイファー氏は、目標株価を従来の350ドルから400ドルに引き上げ、「アウトパフォーム(買い)」評価を維持しました。
同社の株価収益率(PER)は2027年予想ベースで29倍とエヌビディアの25倍を上回りますが、安定した産業・インフラ分野での収益基盤と堅固な技術力がその評価を支えています。
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マーベル・テクノロジー:マイクロソフトとの協業で再成長期待
マーベル・テクノロジー(MRVL)は、クラウドデータセンター向けAIチップ事業を強化している企業です。株価は年初来で22%下落していますが、マイクロソフト(MSFT)が開発する独自の「Maia AIチップ」向けの設計支援を行っており、2027年以降に大幅な売上加速が見込まれています。シェイファー氏は目標株価を95ドルから115ドルに引き上げました。
同氏は「マーベルはクラウドAI市場で高い成長ポテンシャルを持ち、5Gインフラ関連でも業界随一のポジションにある」と評価しています。
*過去記事はこちら マーベル・テクノロジー MRVL
モノリシック・パワー・システムズ:AIサプライチェーンの隠れた主役
モノリシック・パワー・システムズMPWR)は、エヌビディア向けに電源管理チップを供給しており、AIサーバー分野で不可欠な存在です。2025年の株価はすでに64%上昇していますが、通信、自動車、産業用途への拡大で長期的な成長余地があると見られています。オッペンハイマーは目標株価を1,200ドルと設定し、2027年予想PER44倍を「正当化できる」としています。
AIブームの広がりと投資の視点
AI関連投資といえばエヌビディアが注目されがちですが、AIデータセンターの構築には多様な半導体企業が関わっています。今回取り上げられた3社はいずれもAIインフラの中核を担うポジションにあり、今後の市場成長に伴う恩恵を受ける可能性があります。
AIエコシステム全体を視野に入れた分散投資の一環として、これらの企業にも注目する価値があるといえます。
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