米国防総省がミサイル増産要請、注目すべき防衛関連株とは

  • 2025年10月15日
  • 2025年10月15日
  • BS余話

米国防総省は、潜在的な軍事衝突に備えてミサイルの生産を「2倍から4倍」に増やすよう防衛請負企業に要請しています。この動きは、台湾有事を想定した戦略や、無人機(ドローン)対策、防衛網強化策「ゴールデンドーム構想」などを背景にしたものです。アナリストの予測では、ミサイル関連ビジネスは今後数年間、年率10〜20%の成長が見込まれています。

拡大するミサイル需要と主要企業

防衛関連の大手企業はほぼすべてがミサイル事業に関与しています。
ロッキード・マーチン(LMT)は極超音速ミサイルや地対空ミサイル、迎撃システムなどを製造しています。
ノースロップ・グラマン(NOC)は大陸間弾道ミサイル「センチネル」を手掛け、レイセオン・テクノロジーズ(RTX)は「パトリオット」迎撃システムで知られています。
さらにゼネラル・ダイナミクス(GD)はロケットやミサイル用サブシステムを供給し、L3ハリス・テクノロジーズ(LHX)は主要ミサイルメーカーへの部品供給を担っています。
カルマン・ホールディングス(KRMN)はロケット推進用モーターを製造し、売上の約半分がミサイル関連に依存しています。

アナリストによると、カルマンの売上は今後3年間でほぼ倍増する見込みです。同社の株価収益率(PER)は2026年予想で約140倍と高水準であり、大手防衛企業の平均21倍を大きく上回っています。

欧米の関連企業も恩恵を受ける

欧州ではレオナルド(Leonardo)とヘンソルト(Hensoldt)がミサイル関連売上比率20%前後で、米国ではレオナルドDRS(DRS)も同程度の割合を占めています。
一方、レイセオン・テクノロジーズ、ロッキード・マーチン、L3ハリス・テクノロジーズのミサイル関連売上は20%未満です。

ウォール街のアナリスト評価では、カルマンとレオナルドDRSが最も好意的に見られており、それぞれの「買い」評価率は100%と82%です。L3ハリス・テクノロジーズは70%、レイセオン・テクノロジーズは63%、ロッキード・マーチンは38%、ノースロップ・グラマンは52%、ゼネラル・ダイナミクスは46%となっています。S&P500全体の平均買い推奨比率は約55%です。

欧州企業ではヘンソルトが31%、レオナルドが59%とやや低めの評価を受けています。

カルマンの成長と高評価

カルマンは2025年に新規上場を果たし、公開価格22ドルから現在は77ドルで取引されています。直近ではやや調整し2.6%下落しましたが、年初来で主要防衛関連株は平均28%上昇しており、市場平均を上回るパフォーマンスを記録しています。特に欧州のレオナルドとヘンソルトは、それぞれ100%超、200%超の上昇率を示しています。背景には欧州各国による防衛費の増加があり、地政学リスクを反映した長期的な投資テーマとして関心が高まっています。

ミサイル需要の拡大は、今後の防衛関連株にとって強力な追い風となっています。高バリュエーションながらもカルマンの成長ポテンシャルは依然として高く、ミサイル分野にポートフォリオを拡大したい投資家にとって注目すべき銘柄です。

*過去記事「防衛株が絶好調!2025年に注目すべき米欧の12銘柄

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