キャタピラー(CAT)の株価が急伸しています。人工知能(AI)関連銘柄といえばエヌビディア(NVDA)やマイクロソフト(MSFT)などのテクノロジー企業が思い浮かびますが、重機メーカーのキャタピラーにもAIブームの恩恵が広がっています。同社の発電機事業が、AIデータセンターの電力需要拡大によって新たな収益源となりつつあるのです。
データセンター電力需要が利益を押し上げ
キャタピラーは建設機械や鉱山機器の製造で知られていますが、同時にAIデータセンター向けに発電機を供給しています。JPモルガンのアナリスト、タミ・ザカリア氏は10月14日のレポートで、この分野が今後3年間で1株あたり10ドル以上の利益を押し上げる可能性があると指摘しました。これは現在の3年間累計予想利益約72ドルに対し、15%近い上乗せ効果となります。
エネルギー&輸送部門がAI需要の中心に
キャタピラーの発電機事業は「エネルギー&輸送(E&T)」部門に属しており、2025年第2四半期には総売上166億ドルのうち78億ドルを占めました。前年同期比で7%増加しており、AIデータセンター向けの需要拡大が追い風となっています。JPモルガンはこの部門の売上について、2026年から2028年にかけて年率2桁成長が続くと予測しています。
アナリスト評価が上昇、目標株価は史上最高水準に
ザカリア氏はキャタピラー株を「買い」と評価し、目標株価を従来の505ドルから650ドルに引き上げました。この水準はファクトセットによるとウォール街で最も高い予想値であり、メリウス・リサーチのロブ・ワースハイマー氏の見通しと並んでいます。10月14日の米国市場で株価は4.5%上昇し527.47ドルとなり、年初来で45%、過去1年で34%の上昇を記録しています。
建設・鉱山需要も株価を支える要因に
AI関連需要が注目を集める一方で、キャタピラー株の上昇を支えているのは建設・鉱山分野の堅調な需要でもあります。アナリスト予測によると、同社の売上は2025年の650億ドル弱から2026年には680億ドルを超える見込みです。AIとインフラ投資という二つの成長テーマを同時に取り込んでいる点が、投資家の関心を集めています。
AI時代の新しい「重機銘柄」
これまでAI関連株といえば半導体やクラウド企業が中心でしたが、データセンターの電力供給や建設を支える企業にも新たな注目が集まっています。キャタピラーはまさにその代表例であり、今後もAIインフラ投資の波に乗る可能性が高いとみられます。
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