エヌビディア、AIバブル懸念を一蹴:キャンター・フィッツジェラルドが時価総額7兆ドルを予想

人工知能(AI)関連株に対するバブル懸念が広がる中、キャンター・フィッツジェラルドは「AIブームはまだ初期段階にある」との見解を示しました。アナリストらはエヌビディア(NVDA)の長期的な成長ポテンシャルを強調し、目標株価を引き上げました。

キャンター・フィッツジェラルドが強気の見通しを維持

キャンター・フィッツジェラルドのアナリストは、エヌビディア経営陣との会談後、同社の成長ストーリーが「依然として続いている」として、目標株価を300ドルに引き上げました。これは現在の株価水準から約55%の上昇余地を意味し、時価総額7兆ドルを見込む予測となります。

アナリストらは、AIインフラ市場が今後も数千億ドル規模で拡大し、AI関連の物理的開発や企業向け需要、GPUを貸し出す新興クラウド企業などが成長を牽引すると見ています。「これはバブルではなく、投資サイクルの初期段階にすぎない」とコメントしています。

オープンAIとの連携が新たな成長フェーズを後押し

エヌビディアはオープンAIと連携し、同社の次世代AIモデルを支えるために数百万台規模のGPUを提供する計画を進めています。キャンターは、この取り組みがオープンAIを「自社運営型ハイパースケーラー」として独立させる戦略の一環であると分析しています。

これにより、サーバーOEMやクラウド事業者による「マージン積み上げ(margin stacking)」を回避できると指摘しました。その結果、エヌビディアのチップとカスタムチップのコスト差は平均15%程度にまで縮小し、両社にとって「真のウィンウィン関係」になると見ています。

フルスタック戦略でAIインフラを最適化

エヌビディアの製品サイクルは年1回のペースで進化しており、顧客が求めるのは単なるチップではなく、AI展開全体の最適化だとキャンターは指摘します。エヌビディアはチップ、ネットワーキング、ソフトウェアを統合した「フルスタック」戦略を構築しており、AIインフラのスケーリングを支援しています。

アナリストは「ジェンスン・フアンCEO率いるチームはかつてないほど集中し、競争力を発揮している」とし、「エヌビディアがAIアクセラレータ市場の75%以上を獲得する可能性が高い」と評価しました。

2026年から2027年にかけてのEPS成長予測

キャンター・フィッツジェラルドは、2026年の1株当たり利益(EPS)を8ドルと予想しており、これはウォール街のコンセンサスである6.26ドルを大きく上回ります。さらに2027年には11ドルに達する可能性があるとしています。これに対し市場予想は7.36ドルにとどまっています。

アナリストらは、この大きな乖離がエヌビディアを「最も上昇余地のあるトップピック」とする理由だと述べています。2030年に向けてはEPS50ドルという「ストレッチ目標」に挑む姿勢も評価されました。

米商務省の輸出承認と中東市場の拡大

エヌビディア株は10月9日の米国市場で1.8%上昇しました。これは、同社がアラブ首長国連邦(UAE)への数十億ドル規模のチップ輸出を米政府から承認されたとの報道がきっかけです。UAE政府は同額を米国へ投資する計画を示しており、戦略的パートナーシップの拡大が期待されています。

まとめ:AI投資サイクルは「まだ始まったばかり」

キャンター・フィッツジェラルドは、AIインフラ投資は今後も指数関数的に拡大し、エヌビディアがその中心的存在であり続けるとしています。「AIバブル」という懸念の声がある中でも、同社の技術力と市場シェアは依然として圧倒的であり、AI時代の主役としての地位を固めつつあります。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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