モルガン・スタンレーの最新調査によると、米国と欧州の最高情報責任者(CIO)の多くが、今後3年間の生成AI関連支出で最も恩恵を受ける企業としてマイクロソフト(MSFT)を挙げています。調査結果から、マイクロソフトがAI市場で圧倒的な存在感を保ち続けていることが明らかになりました。
生成AI支出の最大の受益企業に
8月5日から9月9日にかけて実施されたCIO調査では、回答者のうち37%が、マイクロソフトが今後3年間で生成AI支出の「最大または2番目に大きなシェア」を獲得すると回答しました。これは、2位のアマゾン(AMZN)の12%を大きく上回る結果となりました。モルガン・スタンレーのアナリスト、キース・ワイス氏は「マイクロソフトは依然として生成AI支出の最も明確な受益者である」と述べています。
同社はクラウド移行でも優位に立っており、回答者の49%が「クラウドシフトによってマイクロソフトがIT予算の追加シェアを最も獲得する」と予測しています。2位のアマゾンは12%、3位のセールスフォース(CRM)は6%にとどまりました。
CIOのAI導入は加速中
モルガン・スタンレーによると、CIOの58%がすでにAIプロジェクトを本稼働させているか、年内に導入を予定しています。この数値は前回調査の60%とほぼ同水準で、AIが企業のIT戦略の中心にあることを示しています。
また、CIOが優先している分野には、セキュリティ、デジタルトランスフォーメーション、クラウドコンピューティングが含まれており、マイクロソフトはこれらすべての領域に深く関わっています。AI・クラウド・セキュリティを軸にした事業展開が、同社の安定した成長を支えています。
モルガン・スタンレーの投資判断と株価見通し
モルガン・スタンレーはマイクロソフト株に対して「オーバーウェイト(強気)」の投資判断を維持し、目標株価を625ドルとしています。これは現在の株価(10月9日時点で約521ドル)から約20%の上昇余地を示唆するものです。
ワイス氏は「現在のCIOの優先課題を踏まえても、マイクロソフトは成長と防衛の両面で最も良い位置にある」と指摘しています。生成AIやクラウド分野での強みを活かし、企業のIT支出の中心にマイクロソフトがあり続ける構図が続きそうです。
この結果から、マイクロソフトは生成AI・クラウド・セキュリティといったCIOの最重要分野をすべてカバーしており、AI投資ブームの中で最も恩恵を受ける企業のひとつであることが裏付けられました。モルガン・スタンレーが「大型ソフトウェア銘柄の中でトップピック」とする理由も納得の内容です。
*過去記事はこちら マイクロソフト MSFT
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