2025年10月7日の米国市場でカナダの鉱山開発企業トリロジー・メタルズ(TMQ)の株価が、米政府による出資発表を受けて急騰しました。米国防総省が同社に約3,650万ドルを投資し、株式の10%を取得。さらに7.5%分の追加取得権(ワラント)も獲得したことが明らかになりました。
アンブラー鉱区の重要性
トリロジー・メタルズはアラスカ州のアンブラー鉱区で銅やコバルト、ガリウム、ゲルマニウムなどの戦略的資源を開発しています。今回、ホワイトハウスが承認した「アンブラー・ロード・プロジェクト」は、これらの鉱床へアクセスするための工業道路建設計画であり、アメリカ国内の重要鉱物供給網を強化する狙いがあります。
株価は過去最大の上昇に
この発表を受け、トリロジー・メタルズの株価は240%急騰し、過去最高値となる7.2ドルを記録しました。これは同社史上最大の一日上昇率であり、アラスカの鉱物開発が国家安全保障やエネルギー政策と直結することを示す象徴的な動きといえます。
トランプ政権の「資源国家戦略」
今回の投資は、トランプ大統領が進める「国内資源確保政策」の一環です。米政府はすでにレアアース大手のMPマテリアルズ(MP)やリチウム採掘企業リチウム・アメリカズ(LAC)への出資も行っており、鉱物資源を「国家戦略資産」と位置づけています。これにより、カナダやアラスカを中心にした北米鉱業への関心が急速に高まっています。
今後の注目点
トリロジー・メタルズはまだ本格的な商業生産段階には至っていませんが、今回の政府出資は同社にとって大きな追い風です。米国のインフラ整備やAI・電気自動車産業の拡大に伴い、銅やコバルトなどの需要は今後さらに高まると見られています。投資家の間では、トリロジー・メタルズが新たな「戦略鉱物株」として注目を集めています。
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