2025年10月7日(火)の米国株式市場は、S&P500が7日ぶりに下落し、AI関連株の上昇ラリーが一服しました。S&P500は0.4%、ナスダックは0.7%、ダウ平均は0.2%下落。序盤は史上最高値を更新しましたが、AI関連株が売られ、生活必需品や金融などディフェンシブ銘柄が上昇。オラクルのクラウド事業の利益率に関する「The Information」報道がAI株の重荷となりましたが、一部報道で内容を否定する動きも見られました。
以下は、7日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
トリロジー・メタルズ (TMQ)
株価変動: +211.00%
詳細: カナダを拠点とする鉱山開発会社で、主に銅や亜鉛などの重要資源を探査・生産しています。米ホワイトハウスが3,650万ドル(約54億円)を出資し、約10%の株式を取得することを発表。さらに7.5%分の追加取得ワラントも保有することから、米国の資源安全保障政策の恩恵を受ける形となり、株価は3倍以上に急騰しました。
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アプラビン (APP)
株価変動: +7.64%
詳細: モバイルアプリの広告・収益化プラットフォームを提供する米テクノロジー企業です。SEC (米証券取引委員会) がデータ収集慣行について調査中との報道を受けて前日に14%急落しましたが、その反動で反発。広報担当者は「規制当局とは通常の対応をしている」とコメントし、過度な懸念が後退しました。
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ソーファイ・テクノロジーズ (SOFI)
株価変動: +6.75%
詳細: 米国のデジタル金融企業で、オンライン融資・投資・銀行サービスを展開しています。トランプ政権が保有する約1.6兆ドルの学生ローンの一部を民間市場に売却する検討を進めているとの報道を受け、金融事業への追い風となりました。政策転換による新たな収益機会への期待が高まりました。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)
株価変動: +3.83%
詳細: 半導体メーカーで、パソコン用・サーバー用CPUやGPUを設計・販売しています。オープンAIとの長期的なAIインフラ供給契約を発表し、AI市場での存在感を強化。前日の24%上昇に続き、ジェフリーズが「買い」に格上げ。AI向け半導体需要の拡大期待が追い風となりました。
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IBM (IBM)
株価変動: +1.54%
詳細: 世界的なITサービス・ソフトウェア企業で、クラウドやAI関連の事業に注力しています。AIスタートアップのアンソロピックと提携し、IBM製ソフトウェア製品に同社の大規模言語モデルを統合する方針を発表。AI分野での競争力向上が期待され、一時301.04ドルの最高値を記録しました。
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オラクル (ORCL)
株価変動: -2.52%
詳細: 企業向けデータベースソフトウェアやクラウドサービスを提供する米国の大手IT企業です。米テック系メディア「The Information」が報じた内部資料で、その収益性に深刻な課題が潜んでいることが指摘され株価が下落しました。
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テスラ (TSLA)
株価変動: -4.45%
詳細: 米国の電気自動車 (EV) メーカーで、自動運転技術やバッテリー技術でも業界をリードしています。新たに低価格帯モデルを発表し、モデルYを39,900ドル、モデル3を36,900ドルから販売。航続距離の短縮などコスト削減を重視した仕様となり、価格競争の激化を懸念した投資家から売りが出ました。
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フォード・モーター (F)
株価変動: -6.14%
詳細: 米国の老舗自動車メーカーで、EVやハイブリッド車の開発にも注力しています。主要サプライヤーであるNovelisのアルミ工場火災により、部品供給の遅延が懸念されました。生産体制への影響が意識され、株価は大幅に下落しました。
エア・テスト・システムズA (AEHR)
株価変動: -17.38%
詳細: 半導体検査装置を開発・製造する米国企業です。AIチップ関連の需要増で注目されていますが、今回の四半期決算では赤字転落。CEOはAI関連市場の中長期成長には自信を見せつつも、ガイダンスの非開示を継続。業績の不透明感から失望売りが広がりました。
*過去記事 株価変動
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