テスラ納車数が過去最高でも株価急落?その理由とは

米EV大手テスラ(TSLA)が2025年第3四半期において過去最高となる納車台数を発表しましたが、それにもかかわらず株価は10月2日の米国市場で4%超の下落となりました。

第3四半期の納車台数は約50万台、予想を大幅に上回る

テスラは2025年第3四半期に497,099台を納車し、これは前四半期比で29.4%増、前年同期比でも7.4%の増加となりました。これにより、通年での納車台数は9月末時点で約121.8万台に到達していますが、前年同期比では5.9%の減少となっています。

この急増の背景には、7月に成立したトランプ大統領の歳出法案により、9月末で終了となった7,500ドルのEV購入税額控除の駆け込み需要があると見られています。

市場予想を大幅に上回る「ビート」

テスラが発表した納車数は、ウォール街が予想していた約443,000台を5万台以上上回りました。個人アナリストのTroy Teslike氏による事前予測は48.1万台で、最も実際値に近い結果でした。事前にフォード(F)の好調なEV販売データがあったことも、強気予測の背景にありました。

株価は下落、過去のパターンと比較すると?

好調な納車結果にもかかわらず、テスラ株は発表当日に約4%下落しました。この現象は、過去の納車発表時にも見られたパターンです。たとえば2025年1月の第4四半期納車報告時も、株価は6.1%下落しています。

これは、すでに事前に株価が大きく上昇していたため、「材料出尽くし」として利益確定の売りが出やすい状況だったことが理由の一つと考えられます。実際、2025年7~9月期にはテスラ株は33%も上昇していました。

テスラ株の本当の注目ポイントは「AI関連事業」

直近3カ月でテスラ株が52%も上昇した背景には、AI関連の新事業への期待が強く影響しています。同社は6月にテキサス州オースティンでAI訓練済みのロボタクシーサービスを開始し、今後全米への拡大を目指しています。また、2026年にはAIヒューマノイドロボットの量産販売も計画しています。

ウェドブッシュ証券などは、こうしたAI事業の成長を前提に、テスラの時価総額が2026年には2~3兆ドルに達する可能性があると強気の見通しを出しています。

今後の注目点は第4四半期と「モデル2」、そしてセミトラック

今後の焦点は、第4四半期の納車実績が税制優遇終了後にどうなるかという点です。ファクトセットによると、アナリストの現在の予測は46.5万台と、前年同期の49.6万台を下回る見込みです。

また、3万ドル台で登場が予定されている新型の廉価モデル「モデル2」や、2026年に量産予定とされるセミトラックも、今後の株価材料として注目されています。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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