年末の株価急落を逆手に取る!タックスロス・セリングで稼ぐ短期戦略

  • 2025年10月3日
  • 2025年10月3日
  • BS余話

2025年10月2日付のマーケットウォッチに掲載されたマーク・ハルバート(Mark Hulbert)氏のコラムでは、「タックスロス・セリング(Tax-Loss Selling)」を活用した短期トレード戦略が紹介されています。本記事では、その概要と戦略の実例、注目銘柄リストを紹介します。

ウォール街が「唯一の無料ランチ」と呼ぶ手法とは?

タックスロス・セリングは、年末が近づくと米国の投資家の間で注目される戦略のひとつで、含み損のある株式を年末までに売却することで、他のキャピタルゲインと相殺し、課税対象額を減らすことができます。

この時期に特に注目されるのは、売られ過ぎた株が一時的にさらに下落し、その後1月に反発するというパターンです。この傾向を活用した短期売買戦略は、米ストック・トレーダーズ・アルマナックのジェフリー・ハーシュ氏が「ウォール街で唯一の“無料ランチ”」と呼ぶほど、長年にわたって有効性が示されています。

特に注目されるのが、ファンドの決算期である10月末に向けて先行して売りが出る点です。この現象を逆手に取って、年末に安く仕込み、年明けの反発で売却益を狙うのがこの戦略の基本です。

マーケットウォッチが挙げた過去の実例とその成績

2024年にマーケットウォッチが紹介した下落銘柄群は、10月時点ですでに35%超の下落を記録していましたが、その後さらに16%下げ、年明けには平均20%のリバウンドが見られました。もちろんすべての銘柄が上がるわけではありませんが、統計的には高い確率で上昇する傾向が見られます。

記事内でも「完璧なタイミングで買って売るのは不可能だが、それでも十分なリターンを得るチャンスはある」と紹介されています。

マーケットウォッチが選定した2025年の下落銘柄リスト

2025年10月1日時点で、S&P1500銘柄のうち年初来パフォーマンスが著しく低下している以下の20銘柄をマーケットウォッチは選定しました。いずれも年末にかけてさらなる売り圧力を受ける可能性があり、注目が集まっています。

企業名ティッカー年初来リターン
サレプタ・セラピューティクスSRPT-84.1%
ベスティスVSTS-67.6%
タンデム・ダイアビーツ・ケアTNDM-65.5%
グリッド・ダイナミクスGDYN-64.8%
フレッシュペットFRPT-63.5%
インスパイア・メディカル・システムズINSP-61.0%
トレード・デスクTTD-58.0%
ヘレン・オブ・トロイHELE-56.6%
ルルレモン・アスレティカLULU-53.6%
シックス・フラッグス・エンターテインメントFUN-52.9%
ネオジェンNEOG-52.2%
ベルリング・ブランズBRBR-51.9%
ケーブル・ワンCABO-50.6%
デッカーズ・アウトドアDECK-50.2%
ロバート・ハーフRHI-49.9%
セーバーSABR-49.0%
RH(旧 Restoration Hardware)RH-49.0%
フォートレア・ホールディングスFTRE-49.0%
ゼンコアXNCR-48.5%
ガートナーIT-48.2%

これらの銘柄に対して、現在の株価よりもさらに下の価格に買い指値注文を置いておくことで、年末の売り圧力による下落時に購入できる可能性があります。1月に需給が回復すれば、反発の恩恵を受けられるかもしれません。

あくまで短期トレード用と割り切る

この記事で紹介されている戦略は、長期投資には適していません。あくまで年末の税金対策による需給の歪みを突く短期売買であり、資金管理やリスク許容度の範囲内で取り組むことが大切です。

年末年始は株式市場に独特の動きが出やすくなります。今年の“無料ランチ”を狙うなら、10月の今から準備を始めておくのがよさそうです。

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

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