2025年に入り、アルファベット(GOOGL)の株価はS&P500の2倍以上の上昇率を記録し、ウォール街の注目を再び集めています。年初にはAI分野での競争力や司法省による独占禁止法の動きに対する懸念がありましたが、Gemini AI製品の成功と規制リスクの後退により、投資家心理は大きく改善しました。
モルガン・スタンレーの強気な見方
モルガン・スタンレーのアナリスト、ブライアン・ノワック氏は、アルファベット株の今後の上昇には「サーチとクラウドの加速」が鍵になると述べています。これらの分野での成長が、2026年・2027年のEPS(1株あたり利益)予想を押し上げる可能性があるとのことです。
ノワック氏は2026年のEPS予想を3%、2027年は4%引き上げ、それに伴い目標株価も210ドルから270ドルへと上方修正しました。これは、2027年の予想利益の約22倍の倍率で評価したものです。歴史的な平均20倍に比べやや高めですが、生成AIの分野でリーダーシップを発揮していることを踏まえれば妥当との見方です。
サーチ・クラウド・YouTubeの相乗効果に期待
アルファベットは検索サービスのGoogleだけでなく、クラウドサービス(Google Cloud)や動画プラットフォームのYouTubeなど、複数の収益源を持っています。ノワック氏は、生成AIの導入によってこれら3分野すべてでの売上成長が加速すると見ており、投資家の信頼がさらに強まる可能性を指摘しています。
競争環境と不確実性
一方で、不確実性も残されています。たとえば、OpenAIがチャット機能を通じて商業検索に進出し、エッツィ(ETSY)との提携を発表するなど、新たな競争相手が台頭しています。ノワック氏は、アルファベットの製品改善スピードが速いことから、ChatGPTが決定的な差別化を図るのは難しいと見ていますが、今後15カ月の間に「市場シェアを維持できるか、それとも失うか」が株価に大きく影響するとしています。
強気・弱気シナリオと株価ターゲット
モルガン・スタンレーの見立てでは、強気シナリオではEPSに対して約26倍の評価を行い、株価は335ドル(現水準から約36%上昇)になる可能性があるとされています。逆に弱気シナリオでは、評価倍率は16倍程度にとどまり、株価は180ドル(現水準から27%下落)になるとの見方です。
2025年10月2日時点で、アルファベット株は245.69ドル付近で取引されています。
*過去記事 アルファベット GOOGL
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇