アマゾンの「真の稼ぎ頭」は広告事業?クラウドよりも高収益な驚きの構造

アマゾン(AMZN)といえば、Eコマースとクラウド(AWS)が主力というイメージが強いですが、ニーダム証券が2025年10月2日に発表したレポートは、実は広告事業が「真の稼ぎ頭(crown jewel)」だと指摘しています。

売上比では小さいが、利益貢献は圧倒的

アマゾンの広告事業は、全体の売上高に占める割合は10%未満と見られていますが、営業利益ベースでは会社全体の50%以上を担っているとの分析が紹介されています。これはAWSの2倍に相当する利益率で、広告事業の営業利益率は約70%にも達しているそうです。

高収益モデルとしての広告ビジネス

ニーダムのアナリストであるローラ・マーティン氏によると、広告はテック企業にとって最も高い利益率を誇る分野であり、AI関連の巨額な資本支出を吸収する収益源として重要性を増しているといいます。

アマゾンの広告事業は2019年に本格的にスタートしましたが、それ以降は年平均20%という急成長を維持しており、同社全体の売上成長率の2倍に相当します。この成長により、アマゾンはすでにアルファベット(GOOGL)やメタ・プラットフォームズ(META)に次ぐ世界第3位の広告プラットフォームになっています。

第一想起の買い物サイトとしての優位性

アマゾンの広告がこれほど高収益なのは、同社が持つ膨大な「ファーストパーティ・データ」と「購入直前のユーザー行動データ」を活用できるからです。米国では多くのユーザーが最初にアマゾンで商品検索を始めるとされており、この瞬間の購買意欲の高いユーザーに広告を表示できるという点で、他社に対して大きな優位性を持っています。

AWSとの比較:将来への投資 vs 今の収益源

クラウド部門(AWS)は、長期的な成長をけん引する柱であり続けるものの、2025年の設備投資1000億ドルのうち80%以上を占めているとされ、その回収には時間がかかります。また、クラウド市場は競争も激化しており、必ずしも高い利益率を確保できるわけではありません。

一方、広告部門はすでに確立されたビジネスモデルであり、短期的なキャッシュ創出装置としての役割を担っていると分析されています。

投資家が見落としている「広告事業の本質的価値」

2025年10月2日時点でアマゾン株は年初来で1.4%の小幅な上昇にとどまっており、「マグニフィセント・セブン」の中では最もパフォーマンスが低迷しています。しかし、今回のレポートでは「今こそ広告事業の価値に注目すべきタイミング」だと強調されており、今後の株価上昇の鍵はこの収益性の高い事業にある可能性が高いと指摘されています。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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