AI向けクラウドインフラ企業として脚光を浴びるコアウィーブ(CRWV)ですが、ウォール街の一部では、競合であるネビウス・グループ(NBIS)の方により大きな成長可能性を見出す声が出ています。
コアウィーブは2025年9月、メタ・プラットフォームズ(META)と142億ドルのクラウド契約を結んだことで株価が急騰しました。1カ月で約46%の上昇となり、AIクラウド銘柄としての期待が高まっています。
しかし、D.A.デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は依然として慎重な見方を崩していません。同氏はコアウィーブの資本構造に懸念を示し、借入金利が9%を超えるなかで5%未満の資産リターンしか生み出していない点を指摘しています。
ネビウスに注がれる期待の視線
同じくD.A.デビッドソンのアナリスト、アレクサンダー・プラット氏は、ネビウスが高い成長ポテンシャルを持つと評価しています。ネビウスは2025年9月にマイクロソフト(MSFT)と174億ドル規模のクラウド契約を締結し、株価は1カ月で約70%も上昇しました。
特筆すべきは、ネビウスの時価総額が約280億ドル、バックログ(将来の契約収益)の規模が200億ドルと、コアウィーブ(時価総額600億ドル、バックログ300億ドル)と比較して割安である点です。プラット氏は、このマイクロソフト契約だけでも評価余地があるとし、さらに今後別の大型契約や非中核事業の価値が市場に認識されれば、さらなる上昇余地があると述べています。
同社に対しては「買い」評価と125ドルの目標株価が示されています。
資本効率と顧客構成に違い
ネビウスは、教育系プラットフォーム「TripleTen」や自動運転ソフトの「Avride」など、非中核事業の売却で資金調達が可能である一方、コアウィーブはエヌビディア(NVDA)のGPUを担保にした借入によって高額な設備投資を進めています。
また、コアウィーブの収益は限られたハイパースケーラー顧客に集中しているのに対し、ネビウスはより幅広い顧客基盤を目指しており、より健全な事業構造と見なされています。
D.A.デビッドソンのルリア氏は、「顧客構成、単位経済性、資本構造のすべてにおいて、ネビウスの方が優れている」と総括しています。
投資家にとっての注目点
AIインフラ市場は今後も成長が期待される分野ですが、企業ごとの財務体質や顧客戦略に目を向けることが重要です。市場の話題性だけでなく、バックログの質や資金調達手段の持続可能性なども考慮することで、より長期的な視点での投資判断が可能となります。
今後のネビウスとコアウィーブの動向に注目が集まります。
*過去記事「新たなクラウド潮流「ネオクラウド」とは?成長とリスクが共存するAI時代の主役たち」
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