2025年9月末、米国株式市場は歴史的な強さを見せ、S&P500とナスダック総合指数は15年以上ぶりに「強い9月」を記録しました。通常、9月は株式市場にとって不調な月とされてきましたが、今年はその通説が覆されました。
S&P500は月間で3.5%上昇、ナスダックは5.6%の上昇を記録しました。これは2010年以来の好成績となります。ダウ平均も1.9%上昇し、S&P500とナスダックとともに9月を堅調に締めくくりました。
上昇の背景にある要因とは?
9月の株高は、複数のポジティブ要因が重なった結果です。まず、米連邦準備制度(FRB)が政策金利を0.25ポイント引き下げたことが大きな材料となりました。さらに、年内にあと2回の利下げが見込まれており、市場のリスク選好ムードが一段と高まりました。
加えて、生成AI関連の熱狂も再燃し、メガキャップ銘柄を中心にテック株が上昇しました。小型株指数であるラッセル2000も約3%の上昇を記録し、2021年11月以来の終値ベースでの最高値を更新しました。
リスク要因も残る10月相場
このまま年末まで株高が続くのかという点については、いくつかの不確実性が残っています。最大の懸念は、米政府機関の閉鎖リスクです。予算成立の合意が得られないまま10月入りとなった場合、労働省や商務省の統計発表が遅延し、9月の雇用統計や失業保険申請件数のデータが不透明になります。
とはいえ、市場関係者は「統計の遅延が大きな悪材料になるとは考えにくく、一時的な不安材料として消化されるだろう」と見ています。過去の政府閉鎖時にも市場は最終的に上昇基調を維持する傾向がありました。
年末に向けての注目ポイント
第4四半期は、歴史的にS&P500が最も好調な時期として知られています。1950年以降の統計によれば、S&P500はこの期間に80%の確率でプラスとなり、平均リターンは4.2%に達します。特に、9月に新高値をつけた年にはその後の3カ月間も上昇する傾向が強まります。
2025年第3四半期の企業決算発表も注目されており、S&P500構成銘柄の利益成長率は前年同期比で+7.9%と予想されています。ただし、すでに株価に織り込まれている可能性もあり、決算シーズンでは期待値とのギャップに注意が必要です。
加えて、11月にはトランプ大統領の関税措置の合法性を巡る最高裁判断も控えており、市場に影響を与える可能性があります。
まとめ:追い風と不安要因が交錯する第4四半期
AIブーム、利下げ期待、好調な経済指標といった材料が重なり、2025年9月は例年にない強さを見せました。一方で、政府閉鎖リスクや関税問題、期待先行の決算シーズンなど、短期的な波乱要因も少なくありません。
とはいえ、歴史的な統計に基づけば、10月から12月は株式市場にとって最も期待できるシーズンです。このまま年末ラリーが実現するか、今後の材料次第で市場の行方が決まりそうです。
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