2025年に入ってから続いていたAI関連株の上昇が一服し、相場の空気が変わりつつあります。米ナスダック総合指数は、AI関連の主要銘柄を多く含むため、過去1週間でやや下落。マイクロソフト、アルファベット、アマゾンなどがAIに巨額投資を続ける中、それに対する短期的な収益の不透明感も意識され始めています。
こうした環境下で、「AIとは無関係の銘柄」へ分散投資する動きが注目を集めています。Trivariate Researchのアダム・パーカー氏は、AI株との相関が低く、直近6カ月で10%以上上昇した銘柄群を抽出しました。
この記事では、その中でも特に注目されている11銘柄をご紹介します。
すでに上場来高値を更新した注目銘柄
以下の銘柄は、足元で株価が好調で、すでに高値をつけた実績を持っています。
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
- マッケソン(MCK)
- センコラ(COR)
- イーベイ(EBAY)
- ウェルタワー(WELL)
すでに保有している投資家にとっては、保有継続が検討される一方、これから購入を考えるなら慎重さも必要です。
まだ上値余地があると見られる6銘柄
次の銘柄は、上場来高値からやや距離があり、今後の成長余地が期待されています。
- ロッキード・マーチン(LMT):防衛大手として安定した契約基盤を持つ
- CVSヘルス(CVS):医療と保険の融合による収益モデル
- D.R.ホートン(DHI):住宅建設大手、米住宅需要の底堅さに支えられる
- ファーストエナジー(FE):公益事業株として安定性が魅力
- ダラー・ゼネラル(DG):ディスカウントストアでインフレ局面に強み
- アルトリア・グループ(MO):高配当と事業転換に注目
高配当・低PERのアルトリアが再評価される理由
とくにアルトリアは、注目に値する銘柄です。伝統的なたばこ事業の縮小傾向に対応するため、ニコチンパウチ「on!」など非たばこ製品への転換を進めています。2025年通年での配当利回りは6.4%と高く、フリーキャッシュフロー8,000億ドル超で配当も十分に賄えます。
PERは12倍未満と割安水準にあり、同業のフィリップモリスの20倍と比べても魅力的です。非たばこ製品の売上比率が今後拡大すれば、さらなる成長も見込めそうです。
AIに依存しないポートフォリオの選択肢
AIブームに乗った株価上昇が一服する中で、相関性の低い安定銘柄をポートフォリオに組み込む意義は高まっています。今回紹介された11銘柄は、その候補として十分な実績と将来性を持っています。
投資戦略として、今後の市場の変動を乗り切るための「ディフェンシブ銘柄選定」の視点を持つことが、より一層重要になる局面かもしれません。
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