AIチップメーカーとして知られるマーベル・テクノロジー(MRVL)は、2025年9月24日に大規模な自社株買い計画を発表しました。これにより、株価は8.7%の大幅上昇となっています(米国東部夏時間13:45現在)。
新たに発表されたのは50億ドル規模の株式買戻しプログラムで、すでに実施中だった30億ドルの計画のうち17億ドル分が残っていたことに加え、今回の発表で大きな上乗せとなりました。さらに、著名な金融機関との間で加速型自社株買い(ASR:Accelerated Share Repurchase)を通じて、追加で10億ドル分の株式を取得する契約も締結したとしています。
CEOのマット・マーフィー氏は、「これは当社のビジネスと株式の本質的価値に対する確信の表れであり、持続的な売上とキャッシュフロー成長の裏付けがある」と述べています。
株価は反発傾向、9月だけで23%上昇
2025年に入りマーベル株は約30%下落していたものの、9月に入ってからは急回復を見せており、過去9営業日のうち8日で上昇し、月間ではすでに23%の上昇率となっています。こうした株価の反発は、市場全体が不安定な中でも特筆すべき動きといえます。
特に注目すべきは、競合のブロードコム(AVGO)などに比べて出遅れていた印象のあったAIハードウェア分野で、マーベルが巻き返しを狙っている点です。株主還元策としての自社株買いが投資家の信頼を取り戻す一手となる可能性もあります。
アナリスト評価は依然として強気
ファクトセットの調査によると、マーベル株について調査している41人のアナリストのうち、34人が「買い」または同等の評価を与えており、市場の期待も依然として高いことがうかがえます。
短期的な株価変動とは裏腹に、企業としての成長性やAI市場における中長期的なポジションには一定の信頼が寄せられていると見ることができます。
まとめ
マーベル・テクノロジーによる大規模な自社株買いの発表は、株主に対する積極的な還元姿勢の表れであると同時に、今後の成長への自信を示すシグナルでもあります。2025年を通じて厳しいパフォーマンスを強いられていた同社ですが、AIインフラ需要の拡大や新たな資本政策をテコに、再び注目が集まりそうです。
*過去記事はこちら マーベル・テクノロジー MRVL
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