エヌビディアがオープンAIに巨額出資!“循環投資”懸念と強気の見方を整理

エヌビディア(NVDA)が発表した、生成AIの先端を走るオープンAIへの1000億ドルに及ぶ投資は、ウォール街で歓迎ムードが広がる一方で、一部では新たな懸念も浮上しています。

2025年9月23日の報道によると、この巨額投資によりオープンAIは、今後10ギガワット規模のエヌビディア製AIシステムを活用することになります。ただし、導入時期などの詳細は明らかにされていません。

アナリストの見解と「循環投資」への懸念

エバコア ISIのアナリストであるマーク・リパシス氏は、この提携により2026年後半のエヌビディアの売上予測を55億ドル引き上げています。一方、バーンスタインのステイシー・ラスゴン氏は、この投資が「循環的な構造への懸念」をさらに強める可能性があると指摘しています。

具体的には、エヌビディアが出資した企業がその資金を使ってエヌビディアのGPUを購入する構造が指摘されており、今回のオープンAIへの投資も似た構図に見えるとの見方があります。ただし、エヌビディア側は今回の投資が同社製品の直接購入に使われることはないと説明しています。

オラクルとの連携による波及効果も

オープンAIはオラクル(ORCL)とクラウドサービス契約を結んでおり、その影響でオラクルはエヌビディア製チップの購入を拡大する見通しです。このように、間接的にエヌビディアが自身のチップ販売に貢献している構造が、X(旧Twitter)などで話題となりました。

利益見通しは依然として強気

バンク・オブ・アメリカのヴィヴェック・アリヤ氏のアナリストチームは、エヌビディアがこの投資により最終的に3倍から5倍の収益を見込めると分析しています。これは、3000億ドルから5000億ドルの規模になります。

懸念は残るものの、今のところ投資家心理を大きく冷やす要因にはなっていないとみられます。ラスゴン氏は、「このニュースは当面はポジティブに受け止められるだろう」とした上で、2026年以降の業績押し上げ効果にも期待を寄せています。

株価の妥当性と今後の注目点

リパシス氏は、エヌビディアの目標株価を214ドルから225ドルへ引き上げ、現在の株価水準でも依然として割安感があるとしています。過去9年間の平均PERが36倍であることを踏まえると、まだ評価が追いついていないという判断です。

クラウド企業による設備投資の急増を背景に、「バブルではないか」という声もあるものの、同氏は「リスクに見合う機会」と捉えています。

今回のまとめ

エヌビディアとオープンAIの提携は、業界の構造に一石を投じるものである一方で、同社の成長シナリオをより確かなものにする材料とも言えます。投資家の視点では、「循環的な利益構造」への懸念と、「圧倒的な成長期待」という相反する要素のバランスをどう評価するかが、今後の焦点になりそうです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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