フィジカルAIの波に乗れ!テスラ株が再評価される理由

2025年9月19日、電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)株がプレマーケットで1.1%上昇し、421.40ドルに達しました。背景には、米証券会社ベアードによる格上げとゴールドマン・サックスによる目標株価の大幅引き上げがありました。

ベアードのアナリストであるベン・カロ氏は、同社株を「ホールド」から「買い」に格上げし、目標株価を320ドルから548ドルへと71%引き上げました。カロ氏は「フィジカルAIの転換点が近づいている」と述べており、テスラの自動運転車やヒューマノイドロボット「オプティマス(Optimus)」、エネルギー貯蔵事業の成長を含め、今後の複数の成長要因に注目しています。

また、ゴールドマン・サックスも目標株価を300ドルから395ドルへと引き上げましたが、格付けは「ホールド」を据え置きました。同社のアナリスト、マーク・デラニー氏は、第3四半期の納車台数が市場予想の約44.5万台を上回り、45.5万台に達する可能性があると見込んでいます。

納車増加とAI戦略が評価の背景に

テスラは2025年第2四半期には約38.4万台の納車にとどまっていましたが、今四半期は連邦EV税額控除の終了を見越した駆け込み需要もあり、販売が好調に推移しているようです。さらに、オースティン(テキサス州)で開始されたロボタクシーサービスがラスベガスにも拡大される見通しで、AIによる自動運転事業への期待も高まっています。

加えて、カロ氏はヒューマノイドロボット「オプティマス」などによる新たな事業機会にも注目しており、テスラを「フィジカルAI革命」の中心と捉えています。同氏の試算では、テスラは2029年のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)ベースで63倍の評価に値するとしています。

利下げも株価の追い風に

テスラ株は、今週の米連邦準備制度理事会(FRB)による0.25ポイントの利下げを受け、自動車ローン金利の低下期待からも買いが入っています。金利が下がることでローンの月々の支払額が抑えられ、自動車販売にとってはプラス材料です。

今週初めには、イーロン・マスクCEOが10億ドル相当の株式を購入したことも報じられており、これも投資家心理を支える要因となっています。

株価は目標を上回る水準に推移中

ファクトセットによれば、現在のテスラ株の平均目標株価は約334ドルで、これは1週間前の323ドルからはやや上昇していますが、それでも現在の株価を下回っています。S&P500銘柄のうち、目標株価を上回って取引されている銘柄は10%程度しかなく、テスラ株の特異性が際立っています。

全体として、テスラをカバーしているアナリストのうち「買い」と評価している割合は45%で、S&P500平均の55%よりは低い水準にありますが、ロボタクシーやロボット事業など新たな成長エンジンへの期待が、アナリスト評価を押し上げているようです。

*過去記事はこちら テスラ TSLA

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