エヌビディア出資でインテル株急騰!“AI連合”の狙いとは?

2025年9月18日、インテル(INTC)の株価が一時23%超の急騰となり、過去50年で最大の上昇率を記録しました。この原動力となったのは、エヌビディア(NVDA)による50億ドルの出資発表です。両社はAI時代に向けた深い戦略的提携を結び、「敵対から共創」へと大きく舵を切りました。

エヌビディアとインテルの提携内容とは?

今回の提携では、両社が複数世代にわたるカスタム製品を共同開発することが明らかになりました。特にデータセンターとPC向けのプロセッサを対象とし、エヌビディアのAI向けGPUと、インテルのx86ベースCPUを統合した新たなAIインフラ製品の提供が期待されています。

さらに、インテルはエヌビディアのハードウェアを統合する専用チップの設計・製造にも携わる予定です。

エヌビディアはTSMCを使い続ける方針

提携の発表と同時に注目されたのが、インテルのファウンドリー(製造部門)への影響です。しかし、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、「TSMCは世界最高のファウンドリー」と明言し、当面はTSMC(TSM)での製造を継続する姿勢を示しました。

この発言により、今回の協業が製造面ではなくアーキテクチャ統合に焦点を当てたものであることが鮮明になりました。

トランプ政権の影響と今後の思惑

今回の動きは、8月に米政府がインテルに10%出資していた背景とも関連があると見る向きもあります。ただし、政府関係者はこの提携に直接関与していないとコメントしています。

一方、市場では「これは将来的なインテル買収、あるいは分割の布石ではないか」との見方も浮上しています。ラファー・テングラー・インベストメンツのナンシー・テングラーCEOは、「インテルはゼロにはならないが、かつての影は薄れつつある」と指摘しています。

エヌビディアのメリットは限定的?

一部アナリストは、今回の提携でエヌビディア側の利点は不透明だと指摘します。米国みずほ証券のアナリスト、ジョーダン・クライン氏は「エヌビディアはすでにGrace CPU(ARMベース)を持っている。今回の提携が本当に必要かは疑問」とコメントしました。

さらに、この動きがアーム(ARM)への逆風となる可能性も示唆され、アーム株は4.5%下落しています。

インテルは復活できるのか?

今回の提携で、インテルはCPU開発においてAMDとの競争力を回復する可能性があります。特に、エヌビディアのRTXアーキテクチャを組み込んだSoC(System-on-Chip)の開発により、x86プラットフォームにおける再成長の糸口をつかむことができるかもしれません。

ウェドブッシュ証券のアナリストは、「これはAI戦略におけるゲームチェンジャー」と評価し、インテルにとっての“黄金の数週間”が続いていると表現しました。

*過去記事「エヌビディアがインテルに50億ドル出資!半導体業界の勢力図が変わる

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