米投資情報メディアのバロンズは、2025年9月18日付の記事で「AIブームの恩恵を受ける工業系企業12銘柄」を特集しました。エヌビディア(NVDA)がけん引するAIコンピューティングの成長は、データセンター関連の需要を爆発的に押し上げ、広範な産業にも波及しています。
データセンター関連銘柄に熱視線
記事ではバンク・オブ・アメリカ(BofA)とウルフ・リサーチの分析を引用し、データセンター構築や運用に欠かせない製品・サービスを提供する企業が紹介されています。冷却、電力供給、ネットワーキング、建設・管理など多岐にわたる分野で、今後も需要拡大が見込まれています。
特に、BofAは今後10年間の米国電力需要成長率を年平均2.5%と予測しており、これは過去10年の0.5%を大きく上回る水準です。背景には、AIデータセンターが膨大な電力を消費するという構造があります。
注目の12銘柄リスト
バロンズが紹介した企業は以下の通りです。
- ジョンソン・コントロールズ(JCI)
- イートン(ETN)
- バーティブ・ホールディングス(VRT)
- デル・テクノロジーズ(DELL)
- アリスタ・ネットワークス(ANET)
- シエナ(CIEN)
- シスコ・システムズ(CSCO)
- キャタピラー(CAT)
- GEベルノバ(GEV)
- デジタル・リアルティ(DLR)
- エヌベント・エレクトリック(NVT)
- ウェスコ・インターナショナル(WCC)
これらの企業は冷却設備、ネットワーク機器、電源装置、バックアップ電源、建設設計、データセンターの運営などで存在感を発揮しています。
割高だが成長性も高い
12銘柄の2025年予想株価収益率(PER)は平均で35倍と、S&P500平均(24.5倍)より高い水準ですが、今後3年間で年率22%の利益成長が予想されています。S&P500の過去数年の平均利益成長率と比較して約2倍という高成長です。
また、ウォール街の評価も高く、これらの銘柄の平均「買い」評価比率は68%と、S&P500の平均である55%を上回っています。
投資家に求められる視点とは
記事では「データセンター支出の減速リスク」や「企業ごとの事業理解の必要性」にも言及しており、単なるスクリーニングだけでなく、各企業の将来展望を見極めることが重要としています。
AIインフラ関連の波は、GPUだけでなく、冷却・電源・ネットワーク・建設にまで広がっており、広範なセクターに投資機会を生み出しています。今後の資金循環を読み解くうえでも注目すべき視点です。
このように、バロンズはAI関連の「インフラ銘柄」にスポットを当て、マグニフィセント・セブン以外の恩恵企業を掘り下げています。高成長と高PERが共存するなかで、長期的な視野での銘柄選定がカギを握りそうです。
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