パランティアに強敵現る?セールスフォースが国家安全保障市場に参入

米ソフトウェア大手のセールスフォース(CRM)が、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の牙城である政府向け契約分野に本格参入し、注目を集めています。

2025年9月16日の報道によると、セールスフォースは国家安全保障に特化した新部門「Missionforce(ミッションフォース)」を立ち上げ、AIを防衛関連の業務に統合する取り組みを強化しています。すでに米陸軍と1億ドル規模のライセンス契約を結んでおり、政府向けビジネスの拡大に本腰を入れる姿勢を示しました。

セールスフォースのCEOであるマーク・ベニオフ氏は、ポッドキャスト番組「The Twenty Minute VC」に出演し、「退役軍人省(VA)や一般調達局(GSA)などのシステムを運用しており、最近ではパランティアに競り勝って陸軍との大型契約を獲得した」と語っています。

この動きの背景には、パランティアの政府向けビジネスの成功があります。同社は2024年度における売上の半分以上を政府部門から得ており、AI分野に対する市場の懸念にもかかわらず、株価は年初から125%上昇しました。対照的にセールスフォースの株価は年初来で28%下落しています。

ただし、パランティアの地位を脅かすには、単に契約を獲得するだけでは不十分です。例えば、2025年8月に米国務省が「Orion(オリオン)」プログラムの支援を目的としてパランティアと契約した際、42社の中でAIと機械学習の要件をすべて満たしたのはパランティアのみだったと報告されています。同社のソフトウェア「Foundry」は、低コードで柔軟性が高く、他機関のAIモデルとの互換性もある点が評価されました。

なお、ベニオフ氏は「パランティアの価格設定は非常に高いが、実際に契約を取っている」とし、その商談力の強さを認めています。

一方で、パランティアの時価総額は4060億ドルを超えており、売上規模が遥かに大きいセールスフォース(時価総額2310億ドル)との比較において過大評価だとする声もあります。とはいえ、セールスフォースの株価下落は、政府契約拡大を評価する投資家にとって買いの好機と見る向きもあり、アナリストの中には目標株価を430ドルとする強気な評価も出ています。

政府向けAIソフト市場という成長分野を巡る両社の競争は、今後さらに激しさを増すことが予想されます。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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