オープンAI、マイクロソフトとの収益分配見直しで500億ドルの増収へ

人工知能開発をリードするオープンAIが、マイクロソフト(MSFT)との提携条件を見直し、今後数年間で最大500億ドルの追加収益を確保する見通しです。これは、同社が描く長期的なインフラ投資と急増する計算コストに対応するための重要な一手とみられています。

この内容は、米テックメディア「The Information」が2025年9月12日に報じたものです。

従来の契約では「収益の20%」をマイクロソフトに

The Informationによると、オープンAIとマイクロソフトは、既存契約において2030年までの収益の約20%をマイクロソフトに分配する取り決めがありました。しかし、オープンAIは2030年には分配率を約8%まで引き下げる方針を一部株主に説明しており、その差額として約500億ドルの収益を自社に留保できると見込んでいるとのことです。

SiriやPhD向けエージェントなど新製品は対象外に?

この見直し案は、オープンAIの一部幹部が、今後発表予定のプロダクトを既存の契約の収益分配対象外とするようマイクロソフトに求めている背景があるようです。たとえば、高度な研究者向けのAIエージェント(月額2万ドル)などが該当します。

また、2025年時点では、アップル(AAPL)のSiriへの技術提供により、同社の収益分配比率は約30%に達している可能性もあるとThe Informationは報じています。

企業再編後、マイクロソフトと非営利部門が1/3ずつ保有へ

両社は現在、非拘束的な覚書(MOU)に基づき、企業構造の見直し交渉を進めています。これにより、新体制のオープンAIではマイクロソフトと非営利部門がそれぞれ約1/3の持分を保有し、従業員が売却可能な企業評価額は5000億ドルに設定されているとのことです。

また、取締役会の構成においても、マイクロソフトは引き続き議席を持たない方向で調整が進められていると報じられています。

AGI到達時の契約条項も交渉中

さらに注目すべきは、AGI(汎用人工知能)に関する契約条項の見直しです。現行契約では、オープンAIがAGIを開発し、特定の財務指標を達成した時点でマイクロソフトの独占アクセス権が失効する仕組みですが、マイクロソフト側はこの条項の変更または削除を求めているとされています。

また、今後オープンAIがマイクロソフトのサーバー利用にかかる費用についても交渉中との情報もあります。

今後の注目点

The Informationによれば、今回の収益分配見直しが実現すれば、オープンAIにとっては巨額のキャッシュフローを確保する大きな前進となります。膨大な計算リソースへの投資が続く中で、マイクロソフトとの関係がどのように進化していくのかは、AI業界全体の方向性を左右する要素となるでしょう。

オープンAIの企業評価額は引き続き急上昇しており、AGI開発に向けた次なる展開から目が離せません。

過去記事はこちら オープンAI

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