がん早期発見に革命!イグザクトが血液検査「Cancerguard」を発売

  • 2025年9月12日
  • 2025年9月12日
  • BS余話

がんを血液検査で早期発見する技術が、いよいよ本格的な普及段階に入りつつあります。2025年10月には、イグザクト・サイエンシズ(EXAS)が新たな血液検査「Cancerguard(キャンサーガード)」を一般向けに発売予定です。価格は690ドルで、自社サイトを通じて販売される予定です。

競争が激化するマルチキャンサー検査分野

イグザクトは、大腸がん検査「Cologuard(コロガード)」で知られる企業ですが、今回の新製品は、がんの自覚症状が出る前に複数の種類のがんを発見することを目的としています。この分野は、スタートアップ企業グレイル(GRAL)やガーダント・ヘルス(GH)もすでに参入しており、年250億ドル規模の市場になると見込まれています。

これらの検査は、血液中に存在するがん由来のDNA断片(ctDNA)を検出することで、がんの兆候を掴むという技術です。特に、現在スクリーニング手段が存在しない致死率の高いがんを早期に発見できる可能性があり、大きな期待が寄せられています。

最大の課題は「FDA承認」と「メディケア適用」

この技術の普及にはいくつかのハードルがあります。特に重要なのは、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認と、メディケアや民間保険による費用負担の可否です。広範な医療保険適用には、大規模な臨床試験による「命を救えるエビデンス」の提示が必要となります。

グレイルは、自社の「Galleri(ギャレリ)」検査に関して、2025年10月の欧州腫瘍学会(ESMO)で新たな試験結果を発表予定で、2026年半ばには英国内での14万人規模の試験結果も公開される見込みです。これらのデータをもとにFDAへの申請を進める方針です。

各社の違いと今後の展望

  • グレイル:Galleriは検査でがんの有無だけでなく、発生部位の特定(約90%の精度)も可能とされています。価格は950ドルで、売上の6割は自費診療です。2025年前半の売上は6400万ドルでした。
  • イグザクト:Cancerguardは陽性か陰性かを返すシンプルな形式で、陽性時は画像診断(CTやPET)が推奨されます。すでに医師への営業基盤がある点が強みです。
  • ガーダント・ヘルス:既に大腸がん向け血液検査「Shield」がFDA承認を受けており、今後は肺がんなどへの拡張や、多がん種版の開発も進行中です。

米議会も動き出す:保険適用の立法化を支援

マルチキャンサー検査を保険適用とする法案は、現在700以上の患者団体の支持を受けており、米議会では「医療分野で最も共同提出者の多い法案」となっています。これは過去に大腸内視鏡検査が保険適用になった経緯と似ており、政治的な後押しで早期の制度化が進む可能性があります。

まとめ

マルチキャンサー血液検査は、医療技術としての革新性と市場性を併せ持つ注目分野です。イグザクト・サイエンシズの参入により、今後の競争はさらに激化し、技術革新と価格競争が進むことが予想されます。一方で、FDA承認や保険適用といった制度的整備が鍵を握ることも忘れてはなりません。

こうした新しい技術が、がんの早期発見と医療費の最適化につながるかどうか、今後の進展に注目が集まります。

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