ブロードコム(AVGO)の最高経営責任者ホック・E・タン氏の報酬が、人工知能(AI)関連の売上高に連動する形で決定されることが明らかになりました。米国証券取引委員会(SEC)への提出資料によれば、この新たな報酬制度が投資家に好感され、同社の株価は2025年9月10日午前の米国市場で約10%上昇しました。
AI売上目標:最大1,200億ドルで報酬が3倍に
今回明らかになった報酬制度では、タン氏に対して610,251株の業績連動型株式報酬(PSU)が付与されました。これは2028年度から2030年度までのいずれかの連続する4四半期において、ブロードコムのAI製品の売上高が900億ドルに達した場合に全株が確定します。
さらに、売上が1,050億ドルに達すれば報酬は2倍に、1,200億ドルを超えれば3倍に増加します。一方で、AI売上が600億ドル未満だった場合は、全ての報酬が無効となる厳しい条件です。
2025年9月10日時点での株価を基にすると、報酬額は約2億500万ドル相当と試算されます。
AI半導体・ASIC・XPUなどが対象
ブロードコムは、AI関連のソリューションとして、半導体、ASIC(特定用途向け集積回路)、XPU(拡張処理ユニット)などを提供しています。今回の報酬制度で定義された「AI売上」は、これらの製品群を含む広範な範囲を対象としています。
2025年度のAI売上はすでに200億ドルに到達
タン氏は2025年9月10日に開催されたゴールドマン・サックス主催の投資家会議にて、AI分野への強い成長期待を表明しました。同氏は、「2025年現在、当社のAI売上は200億ドルに達している。これは、生成AIやスーパーインテリジェンスの時代における計算能力への需要がいかに強いかを物語っている」と語りました。
なお、ブロードコムは2025年度第3四半期において、AI関連製品だけで52億ドルの売上を記録しており、今後の拡大余地は大きいと見られています。
このように、ブロードコムの経営陣はAI分野での成長を強く見込んでおり、その戦略が株主からも支持を受けていることが株価の急騰に表れています。今後、同社のAI売上が報酬条件を達成できるかどうかは、AIインフラ市場全体の成長とも密接に関連しています。
*過去記事はこちら ブロードコム AVGO
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