クアンタムスケープ株が急騰!EVバッテリー革命の始まりか

  • 2025年9月9日
  • 2025年9月9日
  • BS余話

2025年9月8日、クアンタムスケープ(QS)の株価が一時前日比28%高の10ドルまで急騰しました。背景には、ドイツ・ミュンヘンで開催されたIAA Mobility自動車ショーでの画期的な実演があります。

実車走行で注目を集めた「アノードフリー固体電池」

クアンタムスケープと独フォルクスワーゲンの電池子会社であるパワーコ(PowerCo SE)は、同イベントにて固体電池を実際の電気自動車(EV)で稼働させるデモンストレーションを実施しました。

同社は「本デモは、アノード(負極)なしの固体電池が研究室レベルから実世界の走行環境へと移行した初の事例である」と発表しています。

この電池には液体電解質が含まれておらず、従来のグラファイト系アノードも存在しません。この構造により、より軽量で高効率、安全性の高いバッテリーが実現すると期待されています。

固体電池の市場ポテンシャルと商業化の課題

固体電池は、従来型のリチウムイオン電池と比べて以下の点で優れています。

  • 充電あたりの航続距離の向上
  • 製造コストの低下
  • 発火リスクの低減による安全性の向上

この技術が実用化されれば、ガソリン車よりも安価で高性能なEVの大量普及が進む可能性があります。

しかしながら、2025年現在、クアンタムスケープはまだ商業ベースでの量産には至っておらず、売上も限られた段階です。ファクトセットのデータによれば、同社の売上は2026年に400万ドル、2030年には40億ドルに達するという成長予測が立てられています。

株価変動と高まるボラティリティ

クアンタムスケープの株価は、過去1年で3.40ドルから15.03ドルの間を推移しており、大きな値動きが続いています。その要因の一つに、空売りの多さが挙げられます。

現在、流通株の約13%が空売りされており、これは一般的な銘柄と比べて数倍高い水準です。このような高い空売り比率は、ポジティブな材料によるショートスクイーズの発生も引き起こす可能性があります。

実際、今回のデモ発表によって株価が急騰した背景には、空売りポジションの巻き戻しもあったと考えられます。

年初来パフォーマンスと今後の展望

2025年に入ってからのクアンタムスケープ株は、年初来で約51%の上昇を記録しており、過去1年でも約46%のプラスと堅調なパフォーマンスを示しています。

投資家にとっては、依然として高リスク・高リターンの象徴的銘柄であり、技術進展のニュース次第で大きく株価が動く可能性があります。

今後も同社のバッテリー技術が商業化に向けて具体的な成果を見せられるかどうかが、投資判断の鍵を握ることになりそうです。

*過去記事「クアンタムスケープ株が44%急騰!固体電池量産技術「Cobra」の衝撃

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