2025年9月8日、米半導体大手エヌビディア(NVDA)の株価が上昇する一方で、アナリストによる目標株価の引き下げが投資家の注目を集めています。本記事では、シティグループとJ.P.モルガンのレポートを中心に、背景や今後の展望について詳しく解説します。
エヌビディア株は反発も、過去1ヶ月で8%下落
エヌビディアはAI向けデータセンター用GPUで圧倒的なシェアを誇っていますが、最近の株価は冴えません。2025年9月8日(月)の米市場プレマーケットでは前日比0.6%高の168.07ドルとなったものの、先週金曜には2.7%下落しており、過去1ヶ月では8%の下落となっています。
下落の要因は、エヌビディアの決算発表後の売りに加え、競合であるブロードコム(AVGO)の好決算によるものです。ブロードコムは今後、エヌビディアのGPUの代替として自社製ハードウェアの利用が広がるとの見通しを示しました。
シティが目標株価を200ドルに引き下げ
シティグループのアナリスト、アティフ・マリク氏は、こうした状況を受けてエヌビディアの目標株価を従来の210ドルから200ドルに引き下げました。なお、投資判断は「買い」を維持しています。
マリク氏は、ブロードコムの契約によりエヌビディアが将来的に120億ドル規模の潜在的売上を失う可能性があると試算しています。ただし、同氏は「この試算には中国市場は含まれていない」とも指摘し、GPUの対中輸出が再開されれば、上振れの余地があるとしています。
メタの巨額AI投資計画も支援材料に
一方で、AI分野への投資拡大が続く限り、エヌビディアを含む半導体セクター全体には追い風が吹くと見る声もあります。
メタ・プラットフォームズ(META)のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、2028年までにアメリカ国内に最大6,000億ドルを投資する可能性に言及しました。AI開発の進展次第では、さらに大規模な投資になる可能性もあるとのことです。
J.P.モルガン「AIテーマは続く」
J.P.モルガンのアナリスト、ファビオ・バッシ氏は、たとえエヌビディアの業績に一時的な懸念があったとしても、AIというメガトレンド自体が市場の上昇を支える構造に変わりはないと指摘しています。金利の緩和期待や金融環境の改善も、リスク資産にとってはポジティブに働くと見ています。
まとめ
エヌビディアに対する目標株価引き下げは確かにネガティブな材料ではありますが、中国市場の再開余地やメタによる巨額AI投資計画など、ポジティブな要素も共存しています。競合の台頭によりシェア争いは激化しているものの、AIという巨大な成長テーマの中で、引き続き同社の動向から目が離せません。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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