2025年秋のIPOラッシュ到来──注目の6社を一挙紹介

  • 2025年9月8日
  • 2025年9月8日
  • BS余話

2025年9月第2週、IPO(新規株式公開)市場が再び活気を取り戻そうとしています。中でも「今週の目玉」とされるのが、スウェーデン発の後払いサービス企業クラーナと、ウィンクルボス兄弟が支援する暗号資産取引所ジェミニの上場です。

6社がIPOを予定、AIや暗号資産、SaaSまで多彩な顔ぶれ

IPO調査会社ルネッサンス・キャピタルによると、今週は以下の6社が上場予定です。

  • クラーナ(Klarna):後払いサービス大手
  • ジェミニ・スペース・ステーション(Gemini Space Station):暗号資産取引所
  • レジェンス(Legence):建築エンジニアリング・保守企業
  • フィギュア(Figure):ブロックチェーン融資プラットフォーム
  • ビア・トランスポーテーション(Via Transportation):公共交通ソフトウェア企業
  • ブラックロック・コーヒー(Black Rock Coffee):コーヒーチェーン(資産運用大手ブラックロックとは無関係)

中でもクラーナとジェミニは、注目度の高い案件として投資家の関心を集めています。

クラーナとジェミニの資金調達計画と評価額

  • クラーナは、約34.3百万株を1株あたり35~37ドルで売り出す予定で、最大13億ドルの調達を見込んでいます。評価額はおよそ140億ドルです。
  • ジェミニは、1株あたり17~19ドルで約16.7百万株を売り出す計画で、最大3億ドルの調達、評価額は23億ドル前後です。

両社ともに、IPO前に価格帯や株数の調整が行われる可能性があります。

初値高騰に注意──過去の例とその後の値動き

最近のIPO市場は好調で、ステーブルコイン発行のサークル・インターネット・グループ(CRCL)や、デザインソフト開発のフィグマ(FIG)、暗号資産取引プラットフォームのブリッシュ(BLSH)などが華々しくデビューしました。

しかし、初値の高騰後に大きく下落する例も増えており、以下のような値動きが見られます。

  • サークル:最高値約300ドル → 現在約115ドル(約60%下落)
  • フィグマ:最高値約143ドル → 現在約55ドル(約60%下落)
  • ブリッシュ:最高値約118ドル → 現在約52ドル(約55%下落)

収益性とロックアップに注意──冷静な投資判断が必要

クラーナは第2四半期に5200万ドルの赤字を計上しており、競争激化や収益改善の遅れが懸念材料です。また、2021年にはソフトバンク主導で460億ドルの評価を受けていましたが、現在はその3分の1以下の水準にとどまっています。

一方ジェミニは、2025年上半期に2.8億ドル超の赤字を記録。前年同期の損失は4100万ドルだったため、業績悪化が明白です。要因としては暗号資産取引のボリューム減少が挙げられています。

投資家は、これら企業の初決算やロックアップ解除後の値動きにも注視する必要があります。

まとめ:IPOは「初物買い」よりも「見極め」が鍵

トリバリート・リサーチの創設者アダム・パーカー氏は、「IPO時点で赤字企業や大株主売却主体の銘柄はアンダーパフォームしやすい」と警鐘を鳴らしています。短期的な話題性よりも、中長期的な収益性を重視した判断が求められる局面です。

2025年秋のIPOブームに乗るか否か──慎重な目線で、個々の企業の実態を見極めることが成功への第一歩となりそうです。

*過去記事「ジェミニがIPO申請、暗号資産取引所の新たな上場ブーム到来

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