2025年9月5日現在、エヌビディア(NVDA)やブロードコム(AVGO)をはじめとするAI関連の半導体株が調整を経て再び買い場を迎えているという見方が広がっています。AI需要の成長が今後も続くと見込まれる中、投資情報メディアのバロンズでは「今こそ半導体株に投資すべきタイミング」とする記事が公開されました。
SMHが示す市場の回復サイン
半導体関連の動向を示す代表的なETFである「VanEck Semiconductor ETF(SMH)」は、過去5年間で200%以上上昇しており、2025年8月には一時302ドルをつけました。その後、短期的に286ドルまで下落しましたが、再び293ドル近辺まで回復しています。
この「286ドル付近」は、7月以降に投資家が繰り返し買い向かっている価格帯であり、今回も同水準で下げ止まったことは市場の強気姿勢を裏付けていると解説されています。
テクニカル分析でも良好な兆候
テクニカルアナリストのFrank Cappelleri氏は、今回の下落を「一貫した上昇トレンドの中で見られる自然な押し目」と評価。SMHはこれまでにも50日移動平均線付近で何度も下げ止まり、その後上昇に転じてきた歴史があり、今回も同様のパターンになる可能性が示唆されています。
ブロードコムの好決算が投資家心理を後押し
ブロードコムの決算も市場の期待を上回るものでした。2025年第2四半期の売上は前年同期比で22%増加し、チップ部門の好調が全体をけん引。第4四半期の売上ガイダンスも前年同期比24%増の174億ドルと発表され、アナリスト予想を上回る内容でした。
株価も発表直後に10%上昇し、市場の反応の強さを示しました。
「AI普及率90%」の未来が半導体需要を後押し
記事では、エバコアのストラテジストによる「AIはインターネットに匹敵する革命であり、2030年までに企業の90%が何らかの形で導入する」という予測が紹介されています。現時点での導入率は20%未満にとどまっており、今後の拡大余地は非常に大きいと見られています。
AI普及が進めば、AI用ソフトウェアやデータセンターへの投資が増え、それに伴って半導体の需要も持続的に増加するというのが根底にあるロジックです。
個別株ではなくETFでの分散投資が有効
一部では、ブロードコムの新規大型顧客獲得によって、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のシェアが奪われるのではという懸念も出ていますが、記事では「業界全体が成長局面にある今は、個別銘柄の勝ち負けにこだわるよりもETFによる分散投資が有効」と指摘されています。
SMHはエヌビディア、ブロードコム、AMD、台湾積体電路製造(TSMC)、マイクロン・テクノロジー(MU)などAI関連比重の高い構成となっており、AI半導体の成長を幅広く取り込むことができます。
2027年までに年率21%のEPS成長も
ファクトセットのデータによれば、SMH構成銘柄の売上は今後年率12%で伸び、EPS(1株当たり利益)は年率21%成長すると予測されています。コスト増が抑えられれば、利益率の改善も期待され、長期的な株価上昇の原動力となりそうです。
まとめ
記事全体を通して伝えられているのは、「短期的な調整は投資機会」であり、「AI普及の初期段階にある今こそ、半導体セクターへの中長期投資を始める好機」というメッセージです。テクニカル面・ファンダメンタルズ面の両方から見ても、今後の上昇余地は十分にあると評価されています。
AI革命の恩恵を受けるセクターの中心にある半導体株から、今後も目が離せません。
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