米国のカスタマーエンゲージメントソフト企業ブレイズ(BRZE)の株価が、2025年9月5日の取引で前日比13%超の上昇となりました。背景には、第2四半期決算での好結果と、通期見通しの大幅な上方修正があります。
EPS・売上ともにアナリスト予想を上回る
ブレイズは第2四半期の調整後1株利益(EPS)を15セントと発表しました。これは市場予想の3セントを大きく上回る結果です。売上も前年同期比28%増の1億8,010万ドルとなり、こちらも予想の1億7,160万ドルを超えました。
また、通期のEPS予想レンジを従来の15~18セントから、41~42セントに大きく引き上げました。売上見通しも、7億2,000万ドルを上限とするレンジに引き上げられています。アナリスト予想は7億450万ドルだったため、こちらも上回る内容です。
各社アナリストは評価を継続し、目標株価を引き上げ
米国みずほ証券は「強気の決算とガイダンス引き上げ」を評価し、株価目標を40ドルから45ドルに引き上げました。特に営業利益率が3.4%と予想の0.7%を大きく上回った点を好感し、「利益率拡大に対する懸念を払拭した」と述べています。
シティリサーチも買い評価を継続し、株価目標を50ドルから52ドルに引き上げました。同社は今期の業績が、業界全体というよりも「企業としての実行力」によって達成されたと分析しています。
一部には懸念も:NRRの鈍化傾向
ただし、全てがポジティブというわけではありません。オッペンハイマーは、NRR(ネット収益維持率)が前年同期の114%から108%へと低下している点に注目しています。前四半期比でも1ポイントの低下となっており、「NRRの底打ち感はまだ見られない」と指摘しました。
とはいえ、同社はブレイズ株に対してアウトパフォーム評価を維持しており、「今後NRRの改善が確認されれば、株価の評価倍率も上昇する可能性がある」としています。株価目標は38ドルです。
市場環境に逆行する上昇が注目を集める
2025年9月5日の米国株式市場はS&P500が0.3%、ナスダック総合指数が0.03%下落する中、ブレイズはプレマーケットで20%超の上昇後も13.59%の高騰を記録し、終値は31.42ドルとなりました。全体相場が軟調な中での急騰は、投資家の強い関心を示しています。
ブレイズの成長力と今後の焦点
ブレイズは、マーケティング担当者向けに高度な顧客セグメント化やリアルタイム通知などを提供するエンゲージメントソフトウェアを展開しています。クラウドベースでのスケーラビリティと、モバイル/ウェブチャネルを横断した統合的な施策管理が評価されています。
今回の決算は、業界平均を超える成長率と、確実な利益率改善への道筋を提示した点で大きな注目を集めました。一方で、既存顧客の収益維持率(NRR)の動向は、今後の株価の持続的な上昇に向けた重要な指標となりそうです。
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