AIデータセンター関連銘柄として、今注目を集めているのがクレド・テクノロジー(CRDO)です。2025年7月期の好調な決算と強気のガイダンスにより、ウォール街の関心を一気に集めています。
AECと光DSPがAI時代の中核へ
クレドは、AIデータセンターで使用されるアクティブ電気ケーブル(AEC)や、光デジタル信号プロセッサ(DSP)などを提供しています。これらはアマゾン・ドット・コム(AMZN)やxAI、マイクロソフト(MSFT)といったハイパースケーラー各社で採用されており、その成長ポテンシャルが改めて注目されています。
特にAEC分野では、メタ・プラットフォームズ(META)での導入が加速しており、顧客基盤の拡大にもつながっています。さらに、クレドはアマゾンのトレイニウムチップ向け以外にも、広範なAIインフラ用途で同社の技術が利用されている可能性があると指摘されています。
2025年の業績ハイライト
- 7月期売上高:2億2,300万ドル(前年比+274%、市場予想の1億9,100万ドルを大幅に上回る)
- 10月期ガイダンス:2億3,500万ドル(市場予想2億200万ドルを上回る)
- 通期売上成長見通し:+120%(前回予想は+80%)
このような急成長を背景に、株価は年初来で+93%、過去1年間では+337%と、エヌビディア(NVDA)などの大型AI銘柄を凌ぐパフォーマンスを見せています。
セルデスIP技術による差別化
クレドが提供するセルデスIP(SerDes IP)技術は、チップ間およびチップ内部の高速通信を可能にし、データセンター全体のTCO(総保有コスト)を大幅に削減できる可能性があります。この競争優位性が、同社を「AI時代の有望プレイヤー」として評価する根拠になっています。
米国みずほ証券のアナリストは「SerDes市場のTAM(総アドレス可能市場)は、現行のAEC収益水準(年6億5,000万ドル)の15倍規模に拡大する可能性がある」と指摘しています。
今後の成長余地と投資家の期待
市場では、今後さらに2社のハイパースケーラーが2026年度に向けてAEC採用を拡大するとの予想もあり、クレドの成長エンジンはまだ始まったばかりという見方もあります。また、光DSP分野においても2026年度には売上が倍増する見込みが示されており、AIインフラ市場の広がりとともに長期的な成長が期待されています。
まとめ
クレド・テクノロジーは、AIデータセンターの接続インフラというニッチながら不可欠な分野で急成長を遂げており、競争力のある技術と顧客基盤の拡大が相まって、今後も投資家の注目を集めそうです。株価は既に大きく上昇していますが、今後の成長シナリオを見据えた中長期目線の銘柄としてウォッチする価値はありそうです。
*過去記事「クレド・テクノロジーが好決算で急騰、AI銘柄としての存在感が拡大中」
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