アマゾン(AMZN)の衛星インターネット事業「プロジェクト・カイパー」が、初の航空業界との提携を発表しました。同社は2025年9月4日、アメリカの格安航空会社であるジェットブルー(JBLU)と提携し、一部のフライトで低軌道衛星を活用した無料Wi-Fiサービスを提供すると明かしました。サービスの開始は2027年を予定しています。
プロジェクト・カイパーとは
プロジェクト・カイパーは、アマゾンが2019年に立ち上げた低軌道(LEO)衛星ネットワーク構想であり、通信インフラが整っていない地域にインターネット接続を提供することを目指しています。
アマゾンのCEOアンディ・ジャシー氏は株主向け書簡の中で、「インターネットにアクセスできない農村地域などの“デジタル格差”を解消する」ことを目的にしていると述べています。また、「立ち上げには資本がかかるが、プロジェクト・カイパーは収益性と投資利益率(ROIC)の両面で意義ある事業になる」とも語っています。
衛星展開の進捗と今後の計画
アマゾンは現在、プロジェクト・カイパーの衛星を順次打ち上げており、2025年9月時点で計102機を軌道上に展開済みです。さらに同月末には、追加で27機の打ち上げを予定しており、数年内に合計3,200機の配備を目指しています。
打ち上げは、ロッキード・マーチン(LMT)とボーイング(BA)の合弁企業であるユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)との協力で行われています。
アマゾンの多角化戦略の一環
アマゾンはEC事業だけでなく、近年は調剤薬局、食品宅配、動画ストリーミングなど多岐にわたるサービスを展開しています。プロジェクト・カイパーもその一環であり、通信インフラ事業という新たな収益源として注目を集めています。
今回のジェットブルーとの提携は、プロジェクト・カイパーの商業利用の第一歩であり、今後の成長を占う重要なマイルストーンとなります。
まとめ
プロジェクト・カイパーによるジェットブルーとの提携は、アマゾンが衛星インターネット事業を本格的に商業展開していく上での大きな転機となりました。航空業界との連携を皮切りに、今後さまざまな分野での展開が期待されます。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN
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