2025年9月2日の米国株式市場で、エヌビディア(NVDA)の株価が続落しました。前週末の3.3%下落に続き、この日も1.8%下げ、171.02ドルまで値を下げました。生成AIブームを牽引する存在であるエヌビディアに対する期待は高いままですが、決算後の失望感と市場全体のリスクオフムードが重なり、株価は軟調な推移を続けています。
データセンター分野の成長鈍化が懸念材料
メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、「先週のAI関連決算には警戒すべきサインがあった。エヌビディアはデータセンター部門の売上で初めて市場予想を上回れなかった。マーベルはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)からの受注減を背景にガイダンスを下方修正し、デル(DELL)はAIサーバーへの需要シフトにより利益率が圧迫された」と指摘しています。
このように、AI分野の主要プレイヤーの決算が市場の期待に満たなかったことが、セクター全体の重しとなっている状況です。
中国向け販売再開の不透明感も影響
エヌビディアの将来の成長を占う上で重要な要素の一つが、中国市場への販売再開です。米中間の規制の影響により、中国向けの高性能GPU販売が制限されており、今後の展開に不透明感が残ります。明確な販売再開の道筋が示されない限り、大幅な株価上昇にはつながりにくい状況といえます。
AIバリューチェーン全体への分散投資が推奨される局面
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)であるマーク・ヘーフェレ氏は、「ChatGPTの登場以来、ナスダックは2倍近く上昇している。AIテーマはすでに成熟段階に入りつつあり、今後はより選別的な投資が必要になる」との見解を示しました。
同氏はまた、「AIのバリューチェーンを3層(半導体、ソフトウェア、インターネット)に分けて分散投資する戦略が有効であり、各企業のAI感応度を見極めることが重要だ」とも述べています。
まとめ:エヌビディアの株価は踊り場に
2025年に入り、エヌビディアの株価は27%上昇しており、依然としてAI関連の最重要銘柄であることに変わりはありません。しかし、データセンター部門の成長減速や中国市場の規制といったマクロ要因に加え、市場全体のAIバブル警戒感も加わり、株価は調整局面に入った形です。
今後、再び上昇トレンドに入るには、明確な成長ストーリーの再提示や、AI分野における新たな成長源の可視化が求められそうです。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇