アップル(AAPL)が2025年9月9日に開催する「Awe Dropping」イベントで、次期フラッグシップモデル「iPhone 17」シリーズを発表する見通しです。ウォール街では、この発表がアップル株にとって“クリアリングイベント”になる可能性があると注目を集めています。
今回は、マーケットウォッチが2025年9月2日付けの記事で取り上げた「投資家が注目すべき3つのポイント」を紹介します。
新モデル「iPhone Air」の登場と今後のデザイン戦略
今年最大の注目は、新たに加わると予想される「iPhone Air」の存在です。従来のモデルよりも薄型で、より手頃な価格帯になると報じられています。
エバコアのアナリスト、アミット・ダリアナニ氏は、「ここ数年で最も顕著なデザイン変更」と評価し、今後数年にわたる新たなデザイン戦略の第一歩になると指摘しています。また、JPモルガンのサミック・チャタジー氏も、このモデルが中国市場での需要を取り込み、株価の上昇要因になる可能性があると述べています。
出荷台数は1,000万〜1,500万台を見込む声もあり、好意的な消費者反応があれば、さらなるサプライズとなるかもしれません。
また、折りたたみ式iPhoneの登場についても、早ければ来年にも実現する可能性があるとエバコアは予測しています。
関税緩和後の価格戦略と中国市場への影響
2025年前半まで懸念されていた関税問題は一段落し、アップルは価格設定において柔軟性を取り戻しています。JPモルガンによれば、6,000元(約840ドル)以下のスマートフォンには中国政府の15%補助金が適用されるため、価格戦略が需要に与える影響は大きくなります。
チャタジー氏は、「iPhone Air」は899〜949ドル程度になると予想していますが、800ドル近くまで下げれば、中国市場での販売が大きく伸びる可能性があると見ています。一方で、バンク・オブ・アメリカのワムシ・モハン氏は、従来のPlusモデルより100ドル高く、1,000ドル前後になると予測しており、価格設定の方向性は投資家の関心を集めています。
なお、UBSのデータによると、アップルの中国での市場シェアは5月の18.4%から7月には12.1%に大きく低下しており、価格戦略は販売回復の鍵を握ると見られています。
AI戦略の進展と今後の期待
アップルのAI戦略は、依然として市場からの注目を集めていますが、現時点で大きな進展は示されていません。今回のイベントでは大規模なAI機能の発表は見込まれていないものの、年内に段階的な機能追加が行われると考えられています。
チャタジー氏によれば、アップルは「アプリやSiriとの統合を通じたAI体験の強化」を進める方向とされ、アルファベット(GOOGL)の「Gemini」との提携や、Perplexity、MistralといったAIスタートアップの買収検討も報じられています。
投資家としては、AI機能の進化がアップルの製品戦略にどう組み込まれるかに引き続き注目すべきです。
まとめ:株価のトリガーとなるか、イベントの行方に注目
アップル株はここ1カ月で14%上昇しており、年初来の下落分をある程度取り戻しました。今回の「Awe Dropping」イベントがこのポジティブなモメンタムを維持するカギになると考えられています。
新モデル「iPhone Air」のデザイン刷新、中国市場向け価格戦略、そしてAIへの取り組みという3つの軸が、アップルの今後の評価を大きく左右しそうです。
*過去記事はこちら アップル AAPL
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